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わたしの「情熱」は、その日から始まった

「はつ恋」読み終えました。

16才の少年ウラミジール、21才の令嬢ジナイーダ、それぞれの恋の物語。
ウラジミールが美しい令嬢ジナイーダに心奪われ、まるで女王のような振る舞いを魅せるこの女性に翻弄されているさまが、もうたまりません(>_<)。

出会ったシーンでウラジミール、心の声

魅惑的な、高飛車な、愛撫するような、あざ笑うような、しかも可愛いらしい様子があった

一目惚れです…。

何とかジナイーダと知り合いになれないものかと懊悩したり、些細なきっかけに飛びついているところなど、少年らしく微笑ましい。

ジナイーダは多くの男性を惹きつけることができることに自覚があり、初見からウラミジールが自身に恋していることをわかっていて、既にいるジナイーダの取り巻きの一人にウラミジールを惹き込みます。三回目かな、ジナイーダのところへ遊びにいったら、色んな男性に囲まれて皆が興じている「罰金ごっこ」。このごっこの勝者はジナイーダの差し出す手に"キス"できるという何とも刺激的なゲーム。ジナイーダ、恐るべし。

わたしもウラジミールの立場だったらもう…。完全にとりこです。

そんなジナイーダに翻弄されながらしばらくすると、ジナイーダの様子がおかしなことに。これまで周りにいた男性を虜にしつつ翻弄していたジナイーダ自身がとある男性に恋してしまいます。女王様だったジナイーダ自身が恋してしまうと、途端にまったく別人のような姿をみせ始め、そんなジナイーダにウラミジールを含めた男性メンバーが途方にくれたり、嫉妬心メラメラでどうにもならなくなってしまったりする姿はとても他人事とは思えませんでした。

ジナイーダが恋した相手への慕情や、その相手を知ってしまったときのウラジミールの気持ちの複雑さなど、つぶさな描写は秀逸。

現実離れした、情緒的でなんというか甘美な感じが何とも…。そんな作品でした。


タイトル画像は「初恋(1971)」より。女優ドミニク・サンダさんと俳優ジョン・モルダー=ブラウンさん。どちらも美しく、写真しかみていませんが作品イメージにぴったりだと思います。


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