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死刑囚最後の日

ちょっと気分転換で…。

昨日「死刑囚最後の日(ヴィクトル・ユーゴー著、豊島与志雄訳)」を読みました。

何ら救いのない話で読後はなんとも言い難い気持ちとなる一冊でした。
ユーゴーが執筆した当時の世情や、刑執行に至るまでにどんなことがあるのか。関連する人々はどんな風に死刑宣告を受けた受刑者へ接しているのか、執行時の様子などつぶさに知ることができます。

裁判で死刑を宣告される前は無期懲役を言い渡されるくらいならば、死んだほうがましだ!と言っていた主人公。実際に死刑宣告を受けたあとは様々な苦しみを味わい、懊悩する姿や絶望、ひょっとしたらという微かな、本当に微かな希望を一瞬いただいたりするところなど、とてもフィクションとは思えませんでした。

本作のなかで主人公はなぜ、死刑宣告を受けることとなってしまったのか描かれていないので、そこはもやもやとしてしまいます。恐らくあえてその描写は挿話しなかったのでしょう。その情報が足りない部分から色んなことを私は想像しました。

自分自身が本作の主人公のように死刑宣告を受けてしまったら!そう思うともう本当に恐ろしいし、残酷なことだとぞっとしましたし、死刑制度ってあるべきではないのではないかと。ただ、自分自身が被害者もしくは被害者家族となってしまったとき、果たして同じような心境になるものなのか、わかりません。ひょっとするとこれは何ら救いのないことですがなんらかの「復讐」は果たしたい!そう思うかもしれません。

いずれか正しいことなのか、私にはまだわからないなー。

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