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何も学んでいないのでは

こんばんは。
アウシュビッツ・レポート、観に行くことができました。

本作の舞台は1944年4月、アウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所。
スロバキア系ユダヤ人の二人がこの強制収容所から命がけで脱走し、ナチスドイツによって多くのユダヤ人が不当な扱いを受け、日々残虐に殺されている事実を伝えるためにその証拠を持って外部へ告発するというストーリーです。

派手な演出、BGMなどはなく、淡々と二人の脱走者と収容所内に残った囚人たちが連帯責任として過酷な責めを負わされるシーンとが、交互に対比して描かれています。

当時、周辺諸国や連合軍はナチスドイツによる、悪辣な所業は知られておらず、徹底的に秘匿されていたようです。そのため、実際に収容されていた囚人が脱走、外部へ告発されるようなこととなれば、ナチスドイツとしては大変なスキャンダルとなってしまうことから、ナチスドイツ兵は必死に脱走者を探しだそうします。

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「サウルの息子」「復讐者たち」で描かれていたような残酷な描写がたくさんあり、本作も目を覆いたくなるような惨状が容赦なく、映像で突き付けられてきて、理屈ではなくて映像や音で"体感"したような気持ちになりました。

ドキュメンタリーのようにハンディカメラでの撮影シーン。脱走後にアウシュビッツで起こっている出来事について報告を聞いている人々が、どこか別世界での出来事のように話しを聞く態度で、それらに対する焦燥や怒り、脱走した二人が実際にこうしている間に苦しんでいるであろう同胞の気持ちを代弁するシーンなど、胸を締め付けられる思いで観ていました。

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本作では差別、敵視する行為がいかに愚かで危ういことなのかを痛切に批判していて、今まさに「過去を忘れ、同じ過ちを繰り返す」こととならないか、強く警鐘を鳴らしています。

公開したばかりの作品なので詳しくは綴れませんが、エンドロール、大変重要なのでぜひ最後まで観ていただくことをお勧めします。

過去の教訓から同じような過ちは決して繰り返すことのないよう、胸に刻んでおきたいと思います。


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