漫才「プチ整形」

A「俺、実はちょっとプチ整形しようと思ってるんだよね」

B「え?プチ整形?」

A「うん、結構具体的に直したい所とかも決まっててさ」

B「マジか」

A「まあだから早くお金貯めて手術したいんだけど…」

B「いやー、もう少し慎重に考えた方がいいと思うけどな」

A「でももう決めたから」

B「そもそもなんで急にプチ整形なんかしたくなったの?」

A「あー、それはね、夏だから」

B「え?」

A「ほら、最近段々と暑くなってきたでしょ?」

B「うん」

A「だから鼻の部分を取り除いて、そこに小っちゃい扇風機付けようと思ってるんだよね」

B「いや何だその計画、整形というよりプチ改造じゃねえか」

A「そしたらいつでもどこでも自分で涼めるし便利でしょ?」

B「それ以外が不便すぎるのよ、主に呼吸関係で」

A「便利だと思うんだけどなー」

B「やめた方がいいよ、あとあんまり整形の動機で便利って言葉聞かないから」

A「でも最近はコートとか着てるとすぐ汗ばんで大変なんだよ」

B「え…?」

A「なのに整形がダメって、じゃあ俺は一体どうすればいいんだ?」

B「いやコート脱げよ、お前に必要なのは整形より衣替えだろ」

A「うーん…」

B「あとそもそも小っちゃい扇風機ってほとんど気休めだから、やめとけ」

A「まあでも、俺がプチ整形したい理由はこれだけじゃないんだよ」

B「え?」

A「実は今住んでる部屋がめちゃくちゃ日当たりのいい所で」

B「うん」

A「日中カーテン開けてると眩しくて仕方ないのよ」

B「ん…?」

A「だからプチ整形して、眼球の周りにサングラスを埋め込みたいんだよね」

B「いや気持ち悪すぎるわ、解決方法おかしいだろさっきから」

A「え?じゃあ俺は一体どうすればいいんだ?」

B「いやカーテン閉めろよ、もしくはサングラスかけろよ」

A「うーん…」

B「どちらにせよ片手で解決できる問題だから、やめとけ」

A「まあでも確かに、俺もこれに関しては一つ不安に思ってることがあって…」

B「ほう」

A「やっぱり目の手術となると、結構お金かかっちゃうと思うんだよね」

B「いや金銭問題はどうでもいいわ、絶対そこじゃないだろ」

A「けど俺、ちゃんと対処法も考えてて」

B「対処法?」

A「口の中に風力発電所を作って、そこから収入を得ようと思ってるんだよね」

B「いやそこでも顔いじるのかよ、整形資金を整形で稼ごうとするな」

A「こうすれば全てのプチ整形の料金もしっかり…」

B「あとお前さっきからこれのどこがプチ整形なんだよ、ただの大改造じゃねえか」

A「え?でも別に二重にもしてないし、ヒアルロン酸とかも打ってないし」

B「いやそっちがプチなんだよ、お前の場合目と鼻と口塞いじゃってるから」

A「おい何だよもう、さっきから否定ばっかりしやがって」

B「お前がおかしなこと言うからだろ」

A「ちょっとくらい背中押してくれてもいいじゃん?」

B「押せるわけないだろ、目の前崖だぞ」

A「ああうるさいな、よし、もう分かったよ」

B「え?」

A「さっきのは後回しにして、まずは鼓膜に防音シート貼り付けるわ」

B「いや耳まで塞ごうとするな、もういいよ」



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