漫才「うるさい」

A「どうもー、よろしくお願いしますー」

B「お願いします…」

A「あのー、実は俺、最近ゲームにハマっててさ」

B「ああ…」

A「いつも寝る前にやったりするんだけど」

B「うん…」

A「少しやるだけのつもりがついつい朝までやっちゃったりするんだよね」

B「いや…」

A「面白すぎて困っちゃうよねー」

B「あの…」

A「それで今特にハマってるのが格闘ゲームで」

B「……」

A「コマンド入力で技を繰り出したり色んな駆け引きが…」

B「いや、ごめん、ちょっといい?」

A「ん?」

B「あのー、うるさいわ」

A「え?」

B「お前、さっきからうるさすぎるわ」

A「うるさすぎる?俺普通に喋ってただけだけど?」

B「うーん、今はもうちょっと静かにしててもらわないと」

A「どうしてよ?」

B「ほら、このままだとラジオに集中できなくなっちゃうから(イヤホンを指差す)」

A「いやなんで漫才中にラジオ聞いてるんだよ、おかしいだろ」

B「漫才中にラジオを聞いてるというか、ラジオを聞いてたら漫才が始まったんだよ」

A「中断しろよ、始まったんなら中断しろよ」

B「俺結構お笑いに対して真面目だから、昔からラジオとか聞いて勉強してるのよ」

A「お笑いに対して真面目な奴は漫才中にラジオ聞かねえだろ」

B「だからちゃんと静かにしてラジオに集中させてくれよ」

A「いや漫才に集中しろ、リスナーとしての自分を優先するな」

B「…あっ、ちょっと待って」

A「ん?」

B「うわ!読まれた!」

A「え?」

B「初めて自分のメール読まれた!やったー!」

A「おいおいメールまで送ってるのかよ」

B「やっぱりゆきぽよはネタメールの読み方が秀逸だな!」

A「いやゆきぽよのラジオでお笑いの勉強するな」

B「うわー、これはマジでうれしいな…あっ、radikoとかでも聞き直せるので皆さんもよければ…」

A「おいラジオの宣伝始めるな、お前いい加減にしろよ?」

B「え?」

A「さっきからふざけたことばっかり言いやがって、見てくれてるお客さんに失礼だろ?」

B「ああそうか、ごめん」

A「お前は漫才師なんだから、人の話聞いてないでちゃんと自分の話をしろよ」

B「うーん…分かった、じゃあちょっと今からとっておきのエピソードを話してみるわ」

A「おお、そんなのあるの?」

B「えーっと、これは昔付き合ってた彼氏が補導された時の話なんですけど…」

A「いやそれゆきぽよの鉄板トークじゃねえか、影響受けすぎだろ」


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