漫才「遅刻」

A「実はちょっと悩んでることがあって」

B「どうした?」

A「どうしても遅刻癖が治らないんだよね」

B「ああ、それは困るね」

A「自分でも全く原因が分からなくて」

B「大丈夫、俺が絶対に遅刻しない方法を教えてやるから」

A「それは助かる」

B「じゃあまず朝起きてから家を出るまでの行動を教えてくれる?原因になってそうなことがあれば言うから」

A「なるほど、分かった」

B「仮に9時に家を出なきゃいけないとして、まず起床時間は?」

A「8時くらいかな」

B「早いね、じゃあ寝坊ではないのか」

A「そこから顔を洗ったり歯磨いたりして」

B「うんうん」

A「着替えたりご飯食べたりして」

B「はいはい」

A「諸々準備し終わるのが8時半くらいかな」

B「あれ?じゃあ準備が遅いわけでもないのか」

A「ちゃんと遅れないように気を付けてる」

B「確かに遅刻するような要素は全く無いね」

A「そうなんだよ、あとはスパイダーマン見て出かけるだけだから」

B「え?」

A「本当に原因がわからなくて」

B「今さらっと映画見なかった?」

A「ああ、スパイダーマンは毎朝見てるよ」

B「いや絶対それだろ」

A「子供の頃からのルーティンだから」

B「ルーティンで朝の2時間を使うな」

A「それでビルの隙間を飛び回って仕事に向かうんだけど」

B「いやいや」

A「もしかして強盗を捕まえたりしてるから遅れるのかな?」

B「もう現実とスパイダーマンとの区別がつかなくなってるわ」

A「毎朝見てるからね、夢にもよく出てくるよ」

B「夢と現実とスパイダーマンの三つ巴だ」

A「どうすればいいと思う?」

B「スパイダーマン見なきゃいいだろ」

A「でもイチローも継続は力なりって言ってるし」

B「何事にも例外はあるから」

A「それにしてもお前は全然遅刻しないよな」

B「ああ、俺なんて家を出る2時間前には起きてるから」

A「早いね」

B「顔を洗って歯磨いて」

A「うんうん」

B「着替えたりご飯食べたりして」

A「はいはい」

B「そしたらまず笑い飯が出てきて」

A「え?」

B「その次がPOISON GIRL BANDね」

A「あれ?」

B「そこからトータルテンボスとキングコングが突き抜けるんだよ」

A「2007年のM-1見てない?」

B「見てるよ、2007年の12月24日から毎朝見てるよ」

A「決勝の翌日から見てる」

B「でも時間が足りないから最後の組だけ一回も見れてないんだよね」

A「そこが一番面白いのに」

B「まあこれこそが絶対に遅刻しない方法だから、お前も実践しな」

A「どういうこと?」

B「サンドウィッチマンを見なければいい」

A「いやお前にしか当てはまらないだろ、もういいよ」








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