漫才「ヘラヘラ」

A「どうもー、よろしくお願いしますー」

B「お願いしますー」

A「あのー、実は俺、コンビニの店員をやってみたくてさ」

B「コンビニの店員?」

A「今日はちょっとここで練習をさせてもらいたいんだけど」

B「ほう」

A「じゃあ俺が店員をやるから、お前は客として入ってきて…」

B「おい、ちょっと待て」

A「ん?」

B「ヘラヘラすんなよ」

A「え?」

B「お前、漫才中にヘラヘラすんなよ」

A「いや別にしてないけど?」

B「適当にやってるように見えるからやめてくれ」

A「だからヘラヘラなんてしてないって」

B「そもそも何だその格好は?」

A「え?」

B「そんな露出の激しい服なんか着て、どう思われたいんだ?」

A「露出?いや俺普通の服だけど?」

B「髪色も青とか赤とかカラフルにして、ほんとふざけてんのか?」

A「いや染めたことないけど?ずっと黒髪だけど?」

B「それに室内でフードなんて被りやがって、お客さんに失礼だろうが」

A「え…?」

B「まともに敬語も使えないし、関西弁で語気も強いし」

A「関西弁…?」

B「よく分からないCDの宣伝とかするし」

A「あれ…?」

B「せめてその自分をウチって呼ぶのだけでもやめてくれないか?」

A「いやこいつ俺のことmisonoだと思ってるな」

B「もううんざりなんだよ」

A「なぜかこいつ、俺のことmisonoだと思ってるな」

B「そもそもお前、今どんな活動してるのか分からなすぎるんだよ」

A「余計なお世話だろ、放っておいてやれよ」

B「それでコンビニの店員がやりたいってお前、そこまで苦しいならちゃんと相談しろよ」

A「いや食えてないわけではないだろ、お前に相談してもどうにもならないし」

B「歌も上手いし愛嬌もあるんだからもっとしっかり頑張れよ」

A「好きではあるんかい、愛のある叱咤激励すんな」

B「まあ俺はちょっと用事があるからもう帰るけど、今後も引き続き応援してるからな」

A「え?帰るの?そんな大事な用事なの?」

B「うん、今日は午後から有村藍里のサイン会があるからね」

A「いやお前有名人の妹好きだな、どんな癖だよ」

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