漫才「ロック」

A「実は俺、ちょっとした特技があるんだけど」

B「ほう、何?」

A「どんな物でもロックかロックじゃないかを正確に判定できるんだよね」

B「ロックかロックじゃないか?」

A「例えばバイクはロックだけど自転車はロックじゃない、葉巻はロックだけどアイコスはロックじゃない、みたいな」

B「あー、まあなんか、それくらいなら誰でもできそうだけどな」

A「いやいや、俺はこれをどんな物でも瞬時に判定できるから」

B「ああそう、じゃあちょっと試してみていい?」

A「もちろん」

B「えーっと……じゃあまず、料理人は?」

A「料理人?」

B「料理人はロック?それともロックじゃない?」

A「うーん……コックは全然ロックじゃないね」

B「あー、そうなんだ」

A「野菜を食べやすいサイズに切ったりしちゃってるからね、全然ロックじゃないよ」

B「なるほど、じゃあ……超一流の料理人は?」

A「うーん……トップのコックはロックじゃないね」

B「あー、そうなんだ」

A「繊細な盛り付けとかしちゃってるからね、全然ロックじゃないよ」

B「なるほど、じゃあ……その料理人が厨房を掃除するのに使う道具は?」

A「うーん……トップのコックのモップはロックじゃないね」

B「あー、そうなんだ」

A「効率良く床を綺麗にしようとしちゃってるからね、全然ロックじゃないよ」

B「なるほど、じゃあ……掃除道具かと思ったら、そういう毛並みの犬だった場合は?」

A「うーん……トップのコックのモップ似ドッグはロックじゃないね」

B「あー、そうなんだ」

A「ただの毛量の多い犬だからね、全然ロックじゃないよ」

B「いやー、なかなかロックが出ないねー」

A「まあそうだね、今のところ全部ロックじゃないね」

B「よし、じゃあ最後にこれはどう?」

A「ん?」

B「超一流の料理人に厨房を掃除する道具と間違えられた犬のキャッチーな絵柄が入ったグラスに履かせる用の靴下専門店」

A「え?」

B「超一流の料理人に厨房を掃除する道具と間違えられた犬のキャッチーな絵柄が入ったグラスに履かせる用の靴下専門店はロック?それともロックじゃない?」

A「うーん……トップのコックのモップ似ドッグのポップなコップのソックスショップは、意味分からな過ぎてめちゃくちゃロックだね」

B「おー、マジか、やっぱりロックって奥深いなー」

A「そうなのよー、奥深いのよー」



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