漫才「新しいアイデア」

A「どうもー、よろしくお願いしますー」

B「お願いしますー」

A「あのー、実は今ちょっと考えてることがあってさ」

B「考えてること?」

A「やっぱり俺らの漫才も、もっともっと新しいアイデアを取り入れていくべきだと思うんだよね」

B「ほう、なるほど」

A「だからまだ誰もやってないことを試したりして、どんどん挑戦していきたいんだよ」

B「まあ確かに、そういう気持ちは大事かもね」

A「ずっとみんなと同じことしてても成長しないし………ま~だだよ!」

B「…え?」

A「オリジナリティのあるものを作らないと結局………ま~だだよ!」

B「おい…」

A「結局埋もれちゃって1番にはなれないから………ま~だだよ!」

B「ちょっと…」

A「失敗を恐れずに挑戦していかないとやっぱり………ま~だだよ!」

B「いやちょっと待ってくれ」

A「ん?どうした?」

B「かくれんぼしてない?」

A「え?」

B「お前、漫才中にかくれんぼしてない?」

A「してないよ」

B「でもなんか、話の途中で急に叫んで…」

A「ま~だだよ!」

B「いや待たせてるじゃん、引き続き鬼待たせてるじゃん」

A「もう何だよ、大事な話してるのに文句言ってくるなよ」

B「お前が大事な話し中にかくれんぼするからだろ」

A「だからしてないって、漫才の新しいアイデアの話なんだからちゃんと聞いててくれよ」

B「うーん…」

A「まあとにかく、俺はまだ人がやってないことを試していくべきだと思うんだよ」

B「ほう…」

A「それで今考えてるのが、道具をたくさん使う漫才ね」

B「道具?例えば?」

A「俺らの隣にベッドを置いてみたり、後ろにカーテンを付けてみたり、舞台の隅にクローゼットを置いたり…」

B「いや絶対隠れようとしてるだろ」

A「え?」

B「ベッドの下とかカーテンの中とかクローゼットに入って隠れようとしてるだろ」

A「あー、バレちゃった?」

B「そりゃバレるわ、あと謎に矢口真里の不倫現場みたいになってるし」

A「まあ確かにあっちもバレちゃったしね」

B「いいんだよそれは」

A「ただ一つ言っておきたいんだけど、俺は漫才中にかくれんぼしてるんじゃなくて、かくれんぼ中に漫才してるんだよ」

B「いやなんでかくれんぼの方が優先順位上なんだよ、おかしいだろ」

B「そんなこと言われても俺は別に………ま~だだよ!」

A「おいいい加減にしろよ、さすがにふざけ過ぎだろ」

B「は?何なんだよさっきから文句ばっかり言いやがって」

A「逆ギレすんな」

B「これ以上お前とはやってられないわ、もう~いい~よ」

A「いやかくれんぼの言い方で締めようとすんな、もういいよ」



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