漫才「ドレミの歌」
A「あのさ、ドレミの歌ってあるじゃん?」
B「はいはい、あるね」
A「俺、あの歌の歌詞がどうしても思い出せないんだよね」
B「え?マジで?」
A「うん、恥ずかしい話だけど…」
B「いや、実は俺もなんだよ」
A「え?」
B「俺もちょうど、昨日の19時28分に歌詞忘れた所なんだよ」
A「あっ、こいつ記憶の死亡時刻覚えてる人だ」
B「よし、せっかくだしちょっと二人で思い出してみようよ」
A「まあいいけど」
B「あれってなんか、ドレミファソラシドに単語を当てはめていくんだよね?」
A「はいはい、それは俺も覚えてるわ」
B「じゃあ、まずはドから順番に考えていこう」
A「うん」
B「えーっと、ドはたしか……丸い食べ物だった気がするな」
A「あー、そうだった気がする」
B「ドが付く丸い食べ物かー…」
A「うーん……あっ!」
B「どうした?」
A「あんドーナツじゃない?」
B「あー、あんドーナツか、なるほどね」
A「なんかちょっと聞き覚えあるし」
B「うんうん、よし、ドはあんドーナツのドで決まりだね」
A「間違いないわ」
B「じゃあ次はレか」
A「うん」
B「えーっと、レはたしか……酸っぱい食べ物だった気がするな」
A「あー、そうだった気がする」
B「レが付く酸っぱい食べ物かー…」
A「うーん……あっ!」
B「どうした?」
A「はちみつレモンじゃない?」
B「あー、はちみつレモンか、なるほどね」
A「これも聞き覚えあるし」
B「うんうん、よし、レははちみつレモンのレで決まりだね」
A「いいね、順調に進んでるわ」
B「じゃあ次はミか」
A「うん」
B「えーっと、ミはたしか……3文字で、んが付いてた気がするな」
A「あー、そうだった気がする」
B「3文字で、ミとんが付いてる言葉かー…」
A「うーん……あっ!」
B「どうした?」
A「ミカンじゃない?」
B「あー、ミカンね、たぶんそうだ」
A「じゃあ次はファか」
B「えーっと、ファはたしか……なんか気合を入れる感じの…」
A「ファンタじゃない?」
B「あー、ファンタね、炭酸飲むと気合入るもんね」
A「じゃあ次はソか」
B「えーっと、ソはたしか……爽やかな感じで、青いなんとか…」
A「青いソーダじゃない?」
B「あー、ソーダね、一番爽やかだもんね」
A「じゃあ次はラか」
B「えーっと、ラはたしか……音が出る物だった気がするな」
A「ラムネじゃない?笛ラムネとかあるし」
B「あー、ラムネね、はいはい」
A「それじゃあ最後はシか」
B「えーっと、シはたしか……急に気持ちを伝えて来てた気がするな」
A「シュガートースト食べたいよ、じゃない?」
B「あー、シュガートースト食べたいよか、シュガートースト美味しいもんね」
A「よし、これで全て完璧に思い出せたな」
B「うーん…」
A「ん?どうした?」
B「いやー、これちょっとあれだな」
A「え?」
B「さすがに甘くし過ぎてるな」
A「甘くし過ぎてる?」
B「あとなんか途中すごいシュワシュワしてたし、やっぱり違う気がするんだよね」
A「えー?そうかな?俺は合ってると思うけど」
B「いやー、うーん…」
A「あっ、じゃあ最後に俺が一通り歌ってみるから、何か違和感あったらその時に言ってよ」
B「ああ了解」
A「じゃあいくよ?」
B「うん」
A「ド~はあんド~ナツ~の~ド~!」
B「いやあん要らないわ!ドーナツだけで成立してるだろ!」
A「レ~ははちみつレモンのレ~!」
B「いやはちみつ入れて語呂悪くするな!めちゃくちゃ早口になってるから!」
A「ミ~はミ~カン~の~ミ~!」
B「おいみんなのミだろ!……いや、ってかみんなのミって何だ!ここに関してはミカンの方が良いな!」
A「ファ~はファンタ~の~ファ~!」
B「いや甘いの食いながら甘いの飲むな!あとファンタで気合入るって無理矢理すぎるだろ!」
A「ソ~は青いソーダ~!」
B「いや甘いの食いながら甘い炭酸飲んだ後に別の甘い炭酸飲むな!」
A「ラ~はラムネのラ~!」
B「いや甘いの食いながら甘い炭酸飲んだ後に別の甘い炭酸飲みながらラムネ食うな!口の中大変なことになるぞ!」
A「シ~はシュガートースト食べたいよ~!」
B「いやまだ甘いもん食うのかよ!いい加減にしろ!」
A「さぁ~う~た~い~ま~しょ~!」
B「なんだよ、やっぱり歌詞全然違…」
A「ララランラン!ランラン!ラ~ン!」
B「おい…」
A「ド~はあんド~ナツ~の~ド~!!!」
B「いやおかわりしようとすんな!もういいよ!」
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