漫才「お悩み相談」

A「この前春巻きを剥がしながらラジオ聞いてたんだけど」

B「春巻きを剥がすな」

A「猿に噛まれた話した後アンパンマンマーチかけてたわ」

B「めちゃくちゃ面白そうじゃん」

A「でも将来自分の番組とかできたら楽しいだろうね」

B「リスナーと電話繋いでお悩み相談とかしてみたいね」

A「お前には無理だな、エアコンの設定温度おかしいし」

B「関係ないだろ」

A「あれがズレてる奴は何やってもダメよ」

B「そんなことないわ」

A「じゃあ俺がリスナーやるから試しにやってみろよ」

B「いいですよ」

A「カマキリは細すぎて最早存在してないって話は省けよ」

B「そんなトークしないわ」

A「（シーン　シーン　シーン　ガチャ）もしもし」

B「こんばんは！」

A「すみません、着信音を静寂にしてるので出るの遅れました」

B「ちょっと意味が分からないけど」

A「実際にお話しできるなんて夢みたいです」

B「ありがとう」

A「子供が並べたドミノをラジコンで轢きに来る人ですよね？」

B「全然違うよ」

A「年収8億あるって本当ですか？」

B「誰がそんなもんに8億払うんだよ、そうじゃなくてラジオの…」

A「ああ、お悩み相談か」

B「そうそう」

A「初めまして、ラジオネームパーマ大佐の顔ファンです」

B「珍しいね」

A「実は今すごい悩んでることがあって」

B「おお、どんな悩み？」

A「最近シャワーの水圧が弱くて、お湯も出なかったりするんですよ」

B「業者呼ぼうか、言葉で解決するタイプの悩みじゃないわ」

A「あと家の前にでっかい蜂の巣があるんですけど」

B「だから業者呼ぼうか」

A「その下に今ナイフを持った男がいて」

B「やっぱり警察呼ぼうか」

A「蜂にめちゃくちゃ刺されてます」

B「一応救急車も呼ぼうか」

A「いや呼ぼうとしたら電話がかかってきて」

B「それは申し訳ない」

A「……あれ？今確認したら居なくなってました」

B「逃げたのかな」

A「代わりに小さなどんぐりが落ちてます」

B「おとぎ話みたいな結末だね」

A「業者呼びましょうか？」

B「いや何のだよ、呼ばれた方も困るわ」

A「とりあえず解決しました」

B「そういうのじゃなくてさ、仕事の悩みとかないの？」

A「ああ、今プリン工場で靴作ってるんですけど」

B「プリン作れよ」

A「この前上司と揉めて手出しちゃって」

B「それは大変だ、なんで手出しちゃったの？」

A「『プリン作れよ』とか言ってきて」

B「俺電話じゃなかったらぶん殴られてるね」

A「けどそれも解決しましたよ」

B「許してもらえたの？」

A「いや、上司がどんぐりになりました」

B「さっきの奴かよ」

A「ケースに入れて飾ります」

B「怖いな」

A「あっ、そろそろ切らないと」

B「予定でもあるの？」

A「今からブースにお邪魔しようと思って」

B「いや絶対殴りに来るだろ、いい加減にしろ」