漫才「坂道」

A「牛の形態模写しながらで悪いんだけどさ」

B「牛の形態模写するな」

A「子供の頃って、今考えると結構危ない遊び方してたと思わない?」

B「あー、まあ確かに」

A「俺、家の近くに急な坂道があったんだけどさ」

B「うん」

A「そこを自転車で一気に下ったりしてたんだよね」

B「あー、はいはい」

A「あんなの絶対ダメだからね」

B「ほんとだよ、めちゃくちゃ危ないよ」

A「実際大変なことになりかけた時もあったしね」

B「そうなの?」

A「大雨の日に物凄いスピードで下ってたら、滑ってブレーキ効かなくなっちゃって」

B「マジか」

A「しかも前に人が歩いててさ」

B「うわー、危ないね、ぶつかっちゃうよ」

A「まあなんとかギリギリで避けたんだけど」

B「よかった、怪我させちゃうところだったね」

A「それでまた進んでたら」

B「うん」

A「今度は、低い位置で飛んでるカラスが出てきてさ」

B「うわー、危ないね、くちばしが目に入っちゃうよ」

A「まあ接触した瞬間体内に取り込んで融合したんだけど」

B「あー、よかった、適性があったんだね」

A「それでまた進んでたら」

B「うん」

A「今度は大きな桃が後ろから流れてきてさ」

B「うわー、危ないね、どんぶらことか言ってる奴に追い抜かれちゃうよ」

A「まあ追い付かれたタイミングで桃に乗り換えたんだけど」

B「あー、よかった、『遅いチャリより速い桃』ってよく言うもんね」

A「それでまた進んでたら」

B「うん」

A「路上に図書館ができててさ」

B「うわー、危ないね、図書館って大声出すのと桃で滑るのNGだからね」

A「まあシートン動物記借りてそのまま逃げたんだけど」

B「あー、よかった、追い付かれなければ怒られないもんね」

A「それでまた進んでたら」

B「うん」

A「今度はフェンシングの試合だと思ってる人が前に立っててさ」

B「うわー、危ないね、串刺しにされちゃうよ」

A「まあ本で防御して勝利したんだけど」

B「あー、よかった、シートン含め全ての生物に感謝だね」

A「それでまた進んでたら」

B「うん」

A「俺半年何も食べてなかったからお腹空いちゃってさ」

B「うわー、危ないね、移動中に餓死しちゃうよ」

A「まあ乗り物が食べ物だったから助かったんだけど」

B「あー、よかった、遅いチャリより速い桃だね」

A「それでまた進んでたら」

B「うん」

A「すぐ目の前が崖になっててさ」

B「うわー、危ないね、最後の食事が大味の桃になっちゃうよ」

A「まあ俺少しなら飛べるから大丈夫だったんだけど」

B「あー、よかった、融合しといて正解だったね」

A「それでそのまま家まで飛んで帰ったんだけど」

B「うん」

A「俺、高所恐怖症だから飛行中ずっと泣いててさ」

B「うわー、危ないね、弟とかに一生いじられるよ」

A「まあでもなぜか気付かれずに済んだんだよね」

B「あー、よかった、大雨降ってて助かったね」

A「ただ結局自転車なくしてめちゃくちゃ怒られたし、危ない遊びはするもんじゃないね」

B「確かにそうだね」

A「お前は何かやってなかったの?そういう遊び」

B「うーん、俺がよくやってたのはあれかな?」

A「何?」

B「発煙筒持って野良猫追い回すやつ」

A「あー、危ないというか普通に良くないね」



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?