漫才「ことわざ」

A「最近ことわざを覚えるのにハマってて」

B「そうなんだ」

A「例えば『猿も木から落ちる』ね」

B「はいはい、勝俣州和も葬式では黙るって意味ね」

A「ちょっと違うと思うけど」

B「あとは?」

A「『泣きっ面に蜂』」

B「記憶喪失だし人見知り」

A「確かに最悪だけど」

B「そしてそこに蜂が…」

A「最悪すぎるだろ」

B「あとは?」

A「『豚に真珠』とか」

B「墓に健康器具ね」

A「そんなもん供えるな」

B「生前も使ってなかったのに」

A「要らなすぎるわ」

B「あとは?」

A「似た意味の言葉で『に小判』っていうのもあるね」

B「ん?」

A「まあ要は価値の分からないものに…」

B「お前の猫逃げてない?」

A「え?」

B「宛先のない小判が彷徨ってたけど」

A「なんだまた逃げたのか」

B「また?」

A「よく居なくなるのよ、どうせすぐに帰ってくるから」

B「そういうものなんだ」

A「『猫と自販機の千円はすぐ戻る』って言うでしょ」

B「初めて聞いたけど」

A「大丈夫、続けよう」

B「冷静だな」

A「他には『海老で鯛を釣る』とかもあるね」

B「うん」

A「『逃した魚は大きい』とか」

B「うん」

A「『腐っても鯛』とか」

B「お前魚で猫おびき出そうとしてない?」

A「してないよ、たまたまことわざ魚群が通過しただけで」

B「なんだことわざ魚群って」

A「あとイギリスには『リンゴは医者いらず』って言葉があるらしいよ」

B「ほう」

A「食べると健康になるから医者の仕事がなくなる、って意味らしい」

B「なるほどね、でもリンゴ自体が嫌いな人も居るからな」

A「ああ、医者いらずいらずね」

B「その人が医者の可能性もあるな」

A「医者いらずいらず医者ね」

B「でも俺は病気したことないから、そもそも病院とか行かないんだよな」

A「医者いらずいらず医者いらずね」

B「向こうからしても健康な人に用は無いだろうし」

A「医者いらずいらず医者いらずいらずね」

B「イギリスっていらないものが多いんだな」

A「いやそういうことじゃないと思うけど」

B「粗雑な早口言葉みたいになってたから」

A「お前が色々言ってくるから『医者いらずいらず医者猫いらずいらず』になったんだろ」

B「あれ?」

A「いい加減にしてくれよ」

B「猫帰ってきてない?」

A「え?」

B「2人目の医者と3番目のいらずの狭間に迷い込んでるわ」

A「うわマジか」

B「かわいそうに」

A「魚群の後に医者いらずの網を広げるからこうなるんだよ」

B「そういえば俺こういう状況にピッタリのことわざ知ってるわ」

A「そんなピンポイントなことわざある?」

B「『勝俣州和も葬式では黙る』」

A「いやそんな言葉はないし意味もたぶん違う、もういいよ」





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