漫才「発電」
A「昨日画面に眼球くっ付けてテレビ見てたんだけど」
B「視力ゼロになるぞ」
A「自転車のペダルを漕いで発電する装置みたいなのがあって」
B「ああ、たまに見るね」
A「なんかめちゃくちゃ必死に発電して、その後電動自転車で帰ってた」
B「なんでプラマイゼロにするんだ」
A「それ見てて思ったんだけど、日常の中には発電に使える物がもっと色々ある気がするんだよね」
B「ほう、例えば?」
A「車から降りようとした時に、風でドアが持って行かれそうになることあるでしょ?」
B「あるね」
A「あの力を利用して発電したい」
B「いやー、ちょっと難しいと思うよ」
A「でもあれとんでもない力で持って行かれるじゃん」
B「まあそうだけど」
A「あれでみんな自然の恐ろしさを知るんだから」
B「そんなことはないと思う」
A「それにあれ、周りに人いたらすごい危ないじゃん?」
B「まあね」
A「あれで怪我してる人もいると思うんだよ」
B「いるかもね」
A「その人達が可哀想だから、発電してプラマイゼロにしてあげたいのよ」
B「どういうこと?」
A「怪我した人が病院に行くでしょ?」
B「うん」
A「骨が折れてないか調べなきゃいけないでしょ?」
B「そうだね」
A「そこでさっき溜めた電力を使ってレントゲンを撮るんだよ」
B「いやそれゼロになってるか?」
A「これでもう、何も起こってないことになるから」
B「折れた骨だけしっかり残されてるけど」
A「あとはレジ袋かな」
B「え?」
A「路上でレジ袋が勢いよく飛び回ってることあるでしょ?」
B「よく飛ばされてるね」
A「でもあれは環境にも悪いし、街の景観も損ねてる」
B「まあそうだね」
A「だからあの力で発電して、その電力を使って掃除機で吸い込みたい」
B「いやなんでさっきから全てを打ち消そうとするんだよ」
A「これでまたプラマイゼロに…」
B「あと風力発電だろ」
A「え?」
B「ドアを持っていかれるのもレジ袋が飛ばされるのも全部風の力なんだから、それもう風力発電だろ」
A「ああ、たしかに、次風車の話しようとしてたし」
B「それはもうまんまだから」
A「そうか、風力発電か」
B「そうだよ」
A「いやー、まだまだ寒いのに困ったな…」
B「え?」
A「その電力で扇風機回して、早くプラマイゼロにしないと」
B「いやもう勝手にしてくれ」
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