漫才「クレーム」

A「実は最近悩みがあってさ、いくらでも靴舐めるから聞いて欲しいんだけど」

B「いやそんなことしなくていいわ、普通に聞くから」

A「ああそう…まあ悩みっていうのは…」

B「なんでちょっと残念そうなんだよ」

A「悩みっていうのはバイトのことなんだけど」

B「はいはい、何?」

A「俺、この前ラーメン屋でバイト始めてさ」

B「うん」

A「仕事自体には慣れてきたんだけど、クレーム対応が苦手で」

B「あー、クレーム対応か」

A「いつも最終的に全裸で土下座して終わるんだよね」

B「いや屈服しすぎだろ」

A「それでよく風邪引いちゃうから悩んでて…」

B「体調よりプライドを気にしろ」

A「あれってどうやって対応すればいいのかな?」

B「うーん、普通にやれば土下座までは行かないと思うけどな?」

A「じゃあお手本見せてよ」

B「お手本?」

A「俺が客として入って来るから、お前は対応して見せて(離れる)」

B「ああいいよ」

A「ガチャ(入る)」

B「あっ、民家みたいなドアからお客さん入ってきた、いらっしゃいませー」

A「ちょっと、この店は一体どうなってるんですか?」

B「はい?」

A「雰囲気良過ぎでしょ」

B「めちゃくちゃ褒めてくれてた、ありがとうございます」

A「おすすめのメニューとかあるんですか?」

B「えーっと、味噌ラーメンがおすすめです」

A「僕はプリズンブレイクがおすすめです」

B「いや急に海外ドラマ勧めないでください」

A「じゃあ味噌ラーメン1つと半チャーハン6つ」

B「普通のチャーハン3つでいいしどちらにしろ多い」

A「出来上がるまでショーシャンクの空にのポーズで待ってます(手を広げる)」

B「すごく迷惑なのでやめてください」

A「本当は餃子も食べたいんだけどなー」

B「では追加されますか?」

A「いや、半チャーハン6つあるから頼めないんですよ」

B「半チャーハン減らせばいいのに」

A「絶対にこのままでお願いします」

B「何のこだわりなんだ…」

A「(手を広げる)」

B「うわショーシャンクやってる、急いで持ってこないと…(離れる)」

A「(待つ)」

B「お待たせしました、味噌ラーメンと半チャーハン6つです(置く)」

A「あれ?僕シュウマイ頼みませんでしたっけ?」

B「いや、ご注文は味噌ラーメンと半チャーハンのみでしたけど」

A「おかしいな、僕シューマイが1番好きだから必ず頼むのに」

B「そもそもメニュー自体にシュウマイが無いですから」

A「え?信じられないな、あれが1番美味しいのに、あの上に乗ってる…」

B「上に乗ってる?」

A「緑の小さくて丸い……グリーンマイル?」

B「いやグリーンピースね?さっきから刑務所の話好きだな」

A「グリーンマイル美味いのになー」

B「名作だけど美味しくはないと思います」

A「まあ仕方ない、頼んだ物を食べるか……あれ?」

B「どうしました?」

A「ちょっと!これどうなってるんだ!」

B「はい?」

A「髪の毛の周りにラーメンがあるじゃないか!」

B「いやラーメンの中に髪の毛ね?」

A「どっちにしても問題だろ!」

B「まあそうですね、申し訳ございません、すぐ新しい物に…」

A「そんなことで済むと思うな!土下座だ土下座!」

B「土下座ですか…」

A「土下座するから見てろ!」

B「え?」

A「(服を脱ぐ)」

B「お客さん?」

A「(跪く)」

B「ちょっと…」

A「お願いします!靴を舐めさせてください!(土下座)」

B「いやただの特殊な性癖じゃねえか、いい加減にしろ」



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