漫才「ペット」

A「実は最近ペット飼い始めてさ」

B「おお、いいじゃん」

A「もう可愛くてたまらないんだよね」

B「俺も犬飼ってるから分かるよ」

A「ペットと遊ぶのってめちゃくちゃ楽しいよな」

B「うん、うちもよくボール遊びとかしてるわ」

A「ああ、ボールを投げると走って追いかけるんだよね」

B「そうそう」

A「それで取って戻ってきて」

B「うんうん」

A「指を鳴らしたらボールが消えて」

B「…ん？」

A「俺のポケットの中から出て来るんだよな」

B「ちょっと俺がやってるボール遊びと違うわ」

A「あとはフリスビーね」

B「…うん」

A「まずは1枚選ばされて」

B「選ばされる？」

A「その後一斉に全部投げて」

B「……」

A「その中からさっき選んだ1枚だけをキャッチして戻ってくるんだよね」

B「…お前さ」

A「うん」

B「マジシャン飼ってない？」

A「マジシャン？いやいや、俺が飼ってるのはペットだから」

B「マジシャンをペットとして飼ってない？」

A「そんなことするわけないだろ」

B「ああそう、じゃあ俺の気のせいかな」

A「俺マジシャン飼ってたらマジシャン飼ってるって言う人じゃん？」

B「知らないけど」

A「まあとにかくうちのペットはめちゃくちゃ可愛いし、しかも賢いんだよ」

B「賢い？」

A「普通ペットって物壊したりしてイタズラするじゃん」

B「あー、うちの犬もたまにやるね」

A「うちのペットもこの前千円札をビリビリに破いちゃって」

B「大変だね」

A「でもそれを握って指を鳴らしたら、なんと中から1万円札が…」

B「いや絶対マジシャン飼ってるじゃん」

A「それに色々と芸もできるんだよ」

B「マジシャンだからね」

A「500円玉にタバコを貫通させたり、鉄球を浮遊させたり」

B「結構すごいマジシャン飼ってるじゃん」

A「最近はトイレも覚えたよ」

B「どういうこと？」

A「ちゃんと便座も下ろしてくれるようになったし」

B「結構すごい男のマジシャン飼ってるじゃん」

A「もう本当に可愛いんだよ……あー、早く帰って会いたい」

B「気持ち悪いな」

A「早く帰ってマリックに会いたい」

B「いやMr.マリック飼ってんじゃねえか！」

A「絶対うちのマリックが一番可愛い」

B「それ犬とか猫で言うやつだろ、各家庭にマリックいないから」

A「帰りにコンビニでピノ買ってあげよう」

B「あの人ピノ好きなんだ」

A「あー、早く会いたいなー」

B「ってかお前、あれだけ否定しておいて結局マジシャン飼ってるじゃねえかよ」

A「いやいや、マジシャンなんか飼ってないって」

B「？」

A「マリックはマジシャンじゃなくて超魔術師だから」

B「いやどっちでもいいわ」