漫才「丼」
A「どうもー、よろしくお願いしますー」
B「お願いしますー」
A「あのー、実は俺、最近牛丼にハマっててさ」
B「え?」
A「今日もこのまま食べに行きたいくらいなんだけど、そろそろダイエットもしたいからどうしようかなーと思ってて…」
B「ちょっと待って、お前牛丼派なの?」
A「牛丼派?」
B「俺は断然豚丼派だわ」
A「あー、牛か豚かってことね、それで言うとまあ俺は牛丼派かな」
B「マジかー、絶対豚丼の方がいいと思うけどなー」
A「でもほら、ねぎ玉牛丼とかめっちゃ美味しいじゃん」
B「いやー、あり得ないわ、豚丼一択だわ」
A「そこまで言う?」
B「だってお前あれだぞ?」
A「ん?」
B「豚ってめちゃくちゃ綺麗好きなんだぞ?」
A「綺麗好き…?」
B「トイレの場所もちゃんと覚えるし、体に付いた寄生虫を泥浴びをして洗い流したりもするんだぞ?」
A「え…?ああそう…」
B「だから絶対に俺は豚丼派だな」
A「…まあでもほら、キムチ牛丼とか、おろしポン酢牛丼とかも美味しいし…」
B「いやいや、豚丼一択だって」
A「うーん…」
B「だってお前あれだぞ?」
A「え?」
B「豚ってめちゃくちゃ知能高いんだぞ?」
A「知能高い…?」
B「鏡像認知っていう、鏡に映った姿を見てそれを自分だと認識できる能力も持っていて、これは犬や猫にもない能力だから…」
A「いやごめん、ちょっと待って」
B「ん?」
A「アピールポイントそこじゃないだろ」
B「え?」
A「豚丼のアピールポイント、絶対にそこじゃないだろ」
B「そうかな?」
A「食べ物の話してる時に知能と習性の説明されても一切株上がらないから」
B「うーん…」
A「何ならちょっと食べ辛くなってるから」
B「でもやっぱり鏡像認知が…」
A「それが一番要らないわ、もう途中から聞いてなかったわ」
B「だから俺は豚丼一択で…」
A「牛丼一択になったわ、豚丼も普通に好きだったのに生き物としての情報が入りすぎて今は牛一択になったわ」
B「そうか…」
A「っていうかそもそもやたらと豚に詳しいのも謎だし」
B「あー、まあ実はあれなのよ」
A「ん?」
B「俺はそういう事情もあってずっと豚丼を推してたのよ」
A「え?どういうこと?」
B「昔実家でミニブタを飼っててさ、豚丼食べてるとその子を近くに感じられるんだよね」
A「いや愛情の歪み方凄いな、怖すぎて食欲なくなったわ」
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