漫才「物知り」

A「お前さ、スパイダーマンって知ってる?」

B「スパイダーマン?いや、知らないな」

A「あー、やっぱりそうか、お前は何も知らないもんね」

B「うん」

A「スパイダーマンっていうのはマーベルコミック発祥のヒーローで、映画やゲームにもなってる人気キャラクターなんだよ」

B「へぇー、そうなんだ、やっぱりお前は物知りだね」

A「まあね」

B「もしかしてその映画のことも知ってたりするの?」

A「もちろん、全作品ちゃんと知ってるよ」

B「おお、さすが物知り」

A「前作も公開日にすぐ知りに行ったしね」

B「それは凄いな」

A「あの日は楽しみすぎて、朝の4時くらいに目が覚めちゃってさ」

B「へぇー、ちなみにどこで?」

A「知ってる家の知ってるベッド」

B「うわー、物知りだ」

A「それで知ってる時計を見たら知ってる映画が始まるまで結構時間があったからさ」

B「うん」

A「とりあえず起きて、知ってるジャージに着替えて知ってる道を知ってる速度でジョギングしたんだよね」

B「うわー、物知りだし健康的だ」

A「それで知ってるシャワーを浴びて知ってるコーヒーを飲んで知ってるパンを知ってる口で食べて」

B「うん」

A「それからしばらく知ってるテレビで知ってる朝の知ってるドラマ見てたら時間になってさ」

B「おお」

A「早速知ってる車に乗って知ってる音楽を知ってる耳で聴きながら知ってる映画館に向かって」

B「うんうん」

A「それで着いたらもう凄い長さの行列になっててさ」

B「あらら」

A「そこでうわー、これ知ってるわーと思って」

B「さすが物知り、動じないね」

A「そのまま知ってる行列の知ってる最後尾に知ってる並び方してさ」

B「うんうん」

A「知ってる本を読んでしばらく時間潰してたらようやく入れて」

B「知ってる本でよく時間潰せたね」

A「そこからはもう、知ってる座席に知ってる腰を下ろして知ってるポップコーン食べながら知ってる目で知ってるスクリーンを見て」

B「はいはい」

A「そしたらやっぱり知ってるスパイダーマンも大活躍で、知ってる俺も思わず興奮しちゃったよね」

B「あー、そうなんだー」

A「めちゃくちゃ面白いから、お前もスパイダーマン見ておいた方が良いぞ」

B「マジかー、知らなかったけど見てみるわ」

A「うん」

B「あっ、でもそう言えば、俺もこの前知らない映画館で知らない映画見て来たんだよ」

A「え?そうなの?」

B「いやー、あの日は楽しみすぎて朝の4時くらいに目が覚めちゃってさ」

A「どこで?」

B「知らない家の知らないベッド」

A「うわー、めちゃくちゃ怖いじゃん」

B「それで知らない時計を見たら知らない映画が始まるまで結構時間あったからさ」

A「うん」

B「とりあえず起きて、知らないジャージを着て知らない道を知らない速度でジョギングしたんだよね」

A「うわー、知らない速度って何だろう」

B「それで知らないシャワーを浴びて知らないコーヒーを飲んで知らないパンを知らない口で食べて」

A「あー、急に知らない口が出てきた」

B「しばらくしたら時間になったから、知らない車に乗って知らない音楽を知らない耳で聞きながら知らない映画館に向かって」

A「うわー、めちゃくちゃ車盗んでる」

B「そのまま知らない行列の知らない先頭に並んで入場して」

A「すごい割り込んでる」

B「そこからはもう、知らない座席に知らない腰を掛けて知らない目で知らないスクリーンを見てたら大興奮しちゃってさ」

A「たぶんお前の席じゃないけどな」

B「とにかくめっちゃ面白かったから、お前も1回見ておいた方がいいよ」

A「ああそう」

B「これ本当にオススメだから」

A「へぇー、ちなみにそれ何て言う映画なの?」

B「えーっとね、『小魚大戦争 揚げシラスの逆襲』って作品なんだけど…」

A「あー、それはあれだ、普通に1ミリも知らないやつだ」



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