漫才「職務質問」

A「この前、深夜にコンビニ行ったら職務質問されて」

B「あれ何もしてなくても緊張するよね」

A「その時はなんとか誤魔化せたんだけど」

B「何かしてる奴の言い方だね」

A「またされた時のために練習したいから、お前お笑いやめて警官やって」

B「両立させてくれよ」

A「（しゃがんで地面を見る）」

B「ちょっと君」

A「はい？」

B「こんな時間にそこで何してるの？」

A「蟻にハイチュウ運ばせてました」

B「本当に何してるんだ」

A「働き過ぎで逮捕ですか？」

B「いや蟻は完全に無罪なんだけど」

A「よかった」

B「君、何か身分を証明できるもの持ってない？」

A「身分…」

B「持ってないかな？」

A「英検5級なら持ってます」

B「一番いらない情報だね」

A「あと漢検と数検も5級持ってます」

B「なんで5級集めてるんだよ」

A「人に言うためです」

B「5級は誰にも言うな。そういうのじゃなくて…」

A「じゃあこれはどうですか？」

B「（受け取る）これは？」

A「野球部の後輩からもらった寄せ書きです」

B「いやなんとなくの人望が分かっても意味ないから」

A「全員キャッチャーです」

B「珍しいな」

A「まだダメですか？」

B「ダメだよこれじゃ。持ち歩いてるのも意味分からないし」

A「寄せ書き所持で逮捕ですか？」

B「ただただ怖いだけで法には触れてないよ」

A「あとはもう免許証くらいしかないです」

B「あるのかよ（確認して返す）」

A「もういいですか？」

B「じゃあ最後に持ち物だけ調べさせて」

A「え…？（自分の足元を見る）」

B「あれ？様子がおかしいね。ちょっと靴の中確認させてくれる？」

A「それは…」

B「（調べながら）よくいるんだよ変なもん隠してる奴…あっ、靴底に細工してある！（取り出して）おいこれは何だ！」

A「ハイチュウです」

B「こんなとこに入れんな！」

A「（ポケットをまさぐる）」

B「そのポケットに入ってるのは？」

A「ハイチュウです」

B「そっちのポケットは？」

A「ハイチュウです」

B「どんだけ持ってんだよ！もういいわ、最後にそのレジ袋の中だけ見せて。そしたらもう帰っていいから」

A「（取り出す）」

B「それは？」

A「マリファナです」

B「いやレジ袋にハイチュウまとめて入れてマリファナは靴底に隠せ！」

A「その手があったか」

B「その手しかないだろ」

A「じゃあ隠し方下手すぎて無罪ですか？」

B「いやめちゃくちゃ有罪だわ、いい加減にしろ」