漫才「弟子」

A「俺、売れていくために弟子入りしてもっと色々勉強したいんだよね」

B「弟子入りか」

A「でもまず弟子にして貰うのがめちゃくちゃ難しいから、ここで練習させてくれ」

B「俺は師匠をやればいいのね」

A「(頭を下げる)お願いします!弟子にしてください!」

B「悪いが弟子は取ってないんだ」

A「(土下座する)お願いします!」

B「ダメだ、帰ってくれ」

A「師匠の人を恐れない度胸と群れで行動するためのコミュニケーション能力を学びたいんです!」

B「群れ?」

A「僕も平和の象徴になりたいんです!お願いします!」

B「いやお前鳩に弟子入りしようとしてる?」

A「あと帽子の中から出てくるやつも学ばせてください!」

B「あれこっち側は何もしてないから。群れでいるのもただの習性だし」

A「毎朝余ったパン持ってくるのでお願いします!」

B「お前ちょっと待てって。鳩の弟子はやめてくれ」

A「(立ち上がる)やっぱりダメか」

B「相方が昼間の公園で土下座してるの見てられないから」

A「でもめちゃくちゃ尊敬してるんだよ」

B「それにしては最後のやつちょっと舐めてただろ」

A「うーん、そんなに言うなら鳩は諦めるわ(上を見る)」

B「いや飛び立って行った感じ出さなくていいから。せめて人間の師匠にしてくれ」

A「ああ人間ね」

B「頼むわ」

A「(頭を下げる)弟子にしてください!お願いします!」

B「悪いが弟子は取ってないんだ」

A「(土下座する)お願いします!」

B「ダメだ、帰ってくれ」

A「師匠のツッコミに憧れてるんです!」

B「ツッコミ?」

A「もう相方なんて恐れ多いです!弟子にしてください!」

B「いや俺に弟子入りしようとするなよ!」

A「常識があるところも憧れてます!」

B「常識がある人は相方を弟子にしないから」

A「平和の象徴と呼ばれたいんです!」

B「知らねえよ!もうダメだお前やめろ(立たせる)」

A「いや~、やっぱり弟子にしてもらうのって大変なんだな」

B「人選がおかしすぎるだろ」

A「鳩の次だったから怒ってるの?」

B「そういうことじゃねえよ」

A「でももう鳩にもお前にも頼まないから」

B「そうしてくれ」

A「今度は自分に弟子入りするわ」

B「いや勝手にしろ、もういいよ」



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