ハンガリー歴史ざっくりまとめ
歴史
ハンガリーの歴史は、紀元前1世紀にローマ帝国がこの地域を占領したことから始まります。
ローマ帝国はこの地域をパンノニアと呼び、属州として統治しました。
ローマ帝国が衰退すると、さまざまな民族がこの地域に侵入しました。
5世紀にはフン族がパンノニアを支配し、アッティラ王のもとでヨーロッパに勢力を広げました。
フン族の滅亡後、6世紀にはアヴァール人がパンノニアに定住しました。
9世紀になると、ウラル山脈を起源とするマジャル人がバルカン半島を経由してパンノニアに移住しました。
マジャル人はテュルク系のオグール人と混合し、10本の矢(十部族)を意味するオノグルと呼ばれるようになりました。この名前が後にハンガリーの語源となりました。
マジャル人は騎馬で東西ヨーロッパを荒らし回り、レッヒフェルトの戦いでオットー1世に敗れるまで恐れられました。
10世紀末に即位したマジャル人の君主イシュトヴァーン1世は、西暦1000年にキリスト教に改宗し、ローマ教皇からハンガリー国王として聖別を受けました。
これにより、カトリック諸王国の一員であるハンガリー王国が建国されました。
イシュトヴァーン1世は聖イシュトヴァーンとして崇敬され、彼の王冠は現在でもハンガリーの象徴となっています。
ハンガリー王国はやがてトランシルヴァニア、クロアチア、ダルマチアなどを広く支配する大国に発展しました。
しかし、13世紀にはモンゴル帝国の侵入により大打撃を受けました。
その後もオスマン帝国やオーストリア帝国などの外圧や内乱に苦しみました。
1848年には革命が起こり、オーストリアからの自治権を獲得しました。
1867年にはオーストリア=ハンガリー二重帝国が成立し、ハンガリーは半独立の地位を得ました。
しかし、第一次世界大戦で敗北したことで、二重帝国は崩壊しました。
1918年に独立したハンガリー共和国は、1919年に短期間だけ共産主義政権(評議会共和国)となりましたが、すぐに反革命により打倒されました。
1920年にはトリアノン条約により、ハンガリーの領土の約7割が周辺国に割譲されるという屈辱を受けました。
このため、ハンガリーは第二次世界大戦ではナチス・ドイツの同盟国となり、領土回復を図りましたが、再び敗北しました。
戦後、ハンガリーはソビエト連邦の占領下に置かれ、共産主義政権(人民共和国)が樹立されました。
1956年には民主化を求めるハンガリー動乱が起こりましたが、ソ連軍の介入により鎮圧されました。
1989年には東欧革命の一環として共産主義政権が崩壊し、ハンガリー共和国が成立しました。
1999年にはNATOに加盟し、2004年にはEUに加盟しました。
2012年には新憲法(基本法)が施行され、国名がハンガリーとなりました。
以上がハンガリーの歴史の概略です。もっと詳しく知りたい場合は、以下のウェブサイトを参照してください。
- [ハンガリーの歴史 - Wikipedia]
- [ハンガリー - Wikipedia]
- [ハンガリーの歴史年表 - ヨーロッパ史入門]
エピソード
ハンガリーの歴史はとても豊かで、多くのエピソードがあります。例えば、以下のようなものが挙げられます。
ハンガリーは、ヨーロッパで最初に紙幣を発行した国です。1440年代に、ハンガリー王ウラースロー1世は、金貨の不足に対処するために、中国から伝わった紙幣の制度を導入しました。しかし、この紙幣は不評で、すぐに廃止されました。
ハンガリーは、世界で最初に原子力発電所を建設した国の一つです。1959年に、パクシュ原子力発電所が稼働を開始しました。この発電所は現在でもハンガリーの電力の約40%を供給しています。
ハンガリーは、世界で最初にルービックキューブを発明した国です。1974年に、ハンガリーの彫刻家で建築学者のエルネー・ルービックが、立方体の回転パズルを考案しました。このパズルは1980年代に世界的なブームとなり、現在でも人気があります。
以上のように、ハンガリーは科学や文化など様々な分野で優れた業績を残してきました。
有名な人物
ハンガリーの有名な人物はたくさんいますが、ここではいくつかの例を紹介します。
イシュトヴァーン1世 - ハンガリー王国を建国し、キリスト教を導入した最初の国王です。聖イシュトヴァーンとして崇敬され、彼の王冠は現在でもハンガリーの象徴となっています。
フランツ・リスト - 19世紀の作曲家・ピアニストで、ロマン派音楽の代表的な人物です。交響詩やピアノ曲など多くの作品を残し、ピアノ演奏の技巧や表現力を革新しました。
アルベルト・セント=ジェルジ - 化学者で、生命現象におけるATP(アデノシン三リン酸)の役割を発見しました。この業績により、1957年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
以上がハンガリーの有名な人物の一部です。
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