【メンタル】心身症と精神疾患の違い。失感情症について

心身症

心身症は、心理社会的ストレスが原因となって発症したり症状が悪化したりする体の病気の総称です。同じく心理社会的ストレスによって発症する神経症、うつ病などの精神疾患とは異なり、ストレスに応じて体に明らかな器質的または機能的異常が現れる病態を指します。その病態は、循環器系、呼吸器系、消化器系、神経系、泌尿器系などと、あらゆる領域に現れます。

心身症では、心理社会的ストレスが重要な要因となるため、心理社会的ストレスを感じやすい生活習慣や行動様式のほか、性格や考え方のクセなどによって発症するリスクが高くなります。また、この病気は大人だけではなく0歳の乳児であっても発症することがあります。子どもの心身症は思春期を迎える頃にはピークを迎え、適切な治療を受けなければ成人になっても症状に悩まされ続けることもあります。

心身症は、心理社会的ストレスを受けることに加え、その人の性格や考え方のクセなどによって発症するリスクが高まることが知られています。その1つが、心身症を発症しやすい性格特性として失感情症(アレキシサイミア)と呼ばれる性格的特性です。これは、自分の感情への気付きや、感情を言葉として表現することが苦手な人の特徴で、心身症を発症する人に多く見られる特徴の1つであるといわれています。

失感情症

失感情症(アレキシサイミア)は、感情の認知や表現がうまくできない性格特性を指します。この状態では、自分の感情を認知したり、感情を言葉で表現したりすることに障害を抱えています。以下に、失感情症について詳しく説明します。

特徴

  • 失感情症の傾向がある人は、つらい状況に置かれても感情を表に出せないため、「我慢強い人」や「ポーカーフェイス」と見られることがあります。

  • 自分の感情を認知できないため、行動と感情にずれが生じ、相手にネガティブな印象を与えることもあります。

  • 他人の気持ちを考えない、コミュニケーションが下手とみなされることが多くなります。

症状

  • 感情を言い表す言葉が見つけにくい。

  • 自分の感情が変化したことに気づかない。

  • 他人から今の感情を聞かれても答えられない。

原因

  • 遺伝的な性格が影響するとされています。

  • 家庭環境や特定の出来事によっても失感情症の傾向を持つことがあります。

治療方法

  • 自分や他人の気持ちに興味を持つことが大切。

  • 感情を大まかに分類してトレーニングを行う。

  • 日記を書いたり、小さな物語を書いたりすることで改善を目指す。

失感情症は、感情を言葉で表現することが難しい性格特性であり、感情の言語化や内省の乏しさが脳の機能の障害として考えられています。ASD(自閉症スペクトラム)との関連も一部指摘されています。


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