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【ITエンジニア】仮想化とは

仮想化とは、物理的なコンピューターやネットワーク、ストレージなどのITリソースを、ソフトウェアで抽象化して、複数の仮想的なリソースに分割する技術です。

仮想化には、主に以下の4つの種類があります。

  • サーバ仮想化:物理的なサーバーを仮想化して、複数の仮想マシン(VM)を作成する技術です。各VMは独立したオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションを実行できます。サーバ仮想化には、ホストOS型、ハイパーバイザー型(ベアメタル型)、コンテナ型の3つの方法があります。

  • ストレージ仮想化:物理的なストレージデバイスを仮想化して、複数の仮想ストレージに分割する技術です。仮想ストレージは、物理的な場所や形式に関係なく、統合された一つのストレージとして扱えます。ストレージ仮想化には、ホストベース型、ネットワークベース型、デバイスベース型の3つの方法があります。

  • ネットワーク仮想化:物理的なネットワーク機器や回線を仮想化して、複数の仮想ネットワークに分割する技術です。仮想ネットワークは、物理的な構成や制約に関係なく、柔軟に設定や管理ができます。ネットワーク仮想化には、内部型(VLAN)、外部型(VPN)、オーバーレイ型(SDN)の3つの方法があります。

  • デスクトップ仮想化:物理的なデスクトップ環境を仮想化して、複数の仮想デスクトップに分割する技術です。仮想デスクトップは、インターネット経由でリモートからアクセスできます。デスクトップ仮想化には、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)、DaaS(Desktop as a Service)、アプリケーション仮想化の3つの方法があります。

仮想化のメリットは、主に以下の3点です。

  • ITリソースの集約:仮想化によって複数のITリソースを集約すれば、1つの大きなリソースとして扱うことができます。これにより、物理的なハードウェアの数を減らしてコスト削減や省スペース化が可能になります。また、リソースの配分や管理も柔軟に行えるようになります。

  • システムの拡張性向上:仮想化によるメリットの1つとして、システムの拡張性向上が挙げられます。仮想化された環境では、物理的なハードウェアの制約を受けずに、必要に応じて仮想マシンや仮想ネットワークを追加したり、リソースを増減したりすることができます。これにより、ビジネスニーズや負荷状況に応じてシステムを柔軟に拡張できます。

  • セキュリティや可用性の向上:仮想化によって、セキュリティや可用性も向上させることができます。例えば、デスクトップ仮想化では、端末側にデータが残ることがなくなります。そのため端末から情報が漏えいするリスクを軽減できます²。また、仮想マシンはバックアップや移動が容易なため、障害発生時や災害発生時にも迅速に復旧できます。

仮想化のデメリットは、主に以下の2点です。

  • パフォーマンスの低下:仮想化では、物理的なハードウェアを抽象化するためのオーバーヘッドが発生します。これは、仮想化ソフトウェアやハイパーバイザーが介在することで、処理速度やレスポンス時間が低下することを意味します。特に、高いパフォーマンスを要求されるアプリケーションやワークロードでは、仮想化ではなく物理的なハードウェアを直接利用する方が効率的です。

  • 運用管理の複雑化:仮想化では、物理的なハードウェアだけでなく、仮想マシンや仮想ネットワークなどの複数のレイヤーを管理する必要があります。これは、運用管理の負担や複雑さを増加させることを意味します。また、仮想化された環境では、障害発生時やトラブルシューティング時に原因究明が難しくなる場合もあります。そのため、適切な運用管理ツールや知識が必要です。

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