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漆継ぎ

木の器を割ってしまいました。
フレルの木工担当 山田が作っている栗の楕円皿。お店で使っているお気に入りの一枚でした。木目方向にぱっきり。

潔く割れたお皿。

洗って拭き上げるときに、つい力が入って手が滑り「あぁぁぁぁぁぁ!」と叫ぶも虚しくお皿は宙を舞いました。つまり、ただ落としたのではなくて放り投げたような形で落下し、当たりどころが悪くて割れた、という状況です。

今までにもなんども木製のお皿を落としたことはありますが、割れたのは初めてなので、やはり衝撃の強さと落ちた角度が悪かったのだろうと思います。
木なので、陶器より割れにくいとはいえ、割れるときには割れますね。身をもって知りました。ただ、このお皿はかなり使用頻度が高いので、どうにか復活してもらわねばなりません。


そうだ、漆で継ごう。

普段から我が家では欠けた陶器は漆で継いで修理して使っています。私が。ということは、木でも同じように出来るはず。
ということで修理しました。更に、全体を拭き漆仕上げにしてみました。
それがこちら。

修理後。

全体が濃い色になり、漆で継いだラインも木目と馴染んで、ぱっと見た感じは修理跡はほぼ分かりません。そして、経年変化によって黒っぽく変色していたお皿の中心部分も、拭き漆仕上げによって全体が馴染んで良い雰囲気になりました。
中心部分の黒っぽく変化している部分は、そのまま飴色になるまで育てると、それはそれでとても良い表情になるのですが、今回は使用中の器に漆を塗るという実験も兼ねて、敢えて塗りました。

ということで、陶器に加えて木のお皿を割っても再生できることが分かりました。また1つ怖いものがなくなりました。

中学生の頃から、人生の目標が「生き字引になること」だったので、また1つ階段を昇ったような気がしています。

それではまた。


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