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ホーム スイート ホーム・平和温泉(大阪府・池田市)

今夜はふらっと、平和温泉さん。
大阪府池田市。阪急石橋阪大前駅から、商店街アーケードを抜けてすぐ。

僕は平和温泉さんを「ホーム銭湯」と呼んでいる。銭湯巡りをしながらも、定期的に通い続ける、定住地のような銭湯という意味だ。実際、平和温泉さんの湯船には事あるごと通い詰めていて、今では家風呂のように気兼ねのない居心地さえ感じる。

平和温泉さんの男湯には、数年前のリニューアルで富士山の絵タイルが掲げられた。僕は座湯のような形をしたクリニックバスで、この富士をぼんやりと眺めるのが好きだ。それは有名な三保の松原を題材としたもので、蒼天の富士を望む、松林のある海岸線がダイナミックに描かれている。

その日の感情次第で、富士の絵は変わって見える。もちろん、描かれた富士が変わるわけではない。心がポジティブな日は、富士は駆け上がるべき目標に思えるし、そうでない日は、現実から逃げ込むための山奥にも見える、といったようなことだ。

ただ、心が打ちひしがれているような夜でも、お湯につかりながら富士を眺めていると、不思議と心が少しずつ晴れてくる。先ほどまで頭を抱えるほど悩んでいたような事でも、大した問題ではないように思えてくる。

「結局、たいていの問題は、いずれ笑い話や武勇伝に変わっていくじゃないか」それを体験的に知っていることを、富士を眺めながら思い出すのだ。

ストレスフルな日常を、できるだけ自分らしく過ごすためには、職場と家庭以外に「第三の居場所」を見つけることが大切だそうだ。第三の居場所と思えるのなら、それは何だっていい。ただ、僕にとっては、それが銭湯だった。

もし、あなたが適切な「第三の居場所」を見つけていないのなら、試しに銭湯に足を運んでみるといい。もしかしたらそこが、あなたの「ホーム」になるかも知れない。

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