見出し画像

加熱講座3 食材への熱の伝わり方

熱は温度差がある場合に、温度の高いものから低いものに伝わります。 その伝わり方には、伝導、対流、放射の3種類があります。 例えば、フライパンが高温になり、その熱が食材に伝わります。 さらに、食材の表面から、その内部に熱が伝わります。これが伝導です。 この時、物質内部で伝わる熱の量を比較すると、金属は格段に伝わりやすく、 それに比べて食材や水は伝わりにくくなります。 そのため、効率よく熱を伝えるために、フライパンは金属で作られているのです。

フライパンには、昔から油馴染みの良い鉄製のもの、今日では鉄製で錆びない極JAPANシリーズがおすすめです。

さらに、空気は熱を伝えにくい物質であり、水の20分の1以下とも言われています。 それは、濡れた布巾と乾いた布巾で、熱い鍋をつかむ時に分かります。 濡れていると、つかめないほど熱くなっています。 また、アイスクリーム入りの天ぷらが可能となります。 カステラやパンなどの空気を含む食材にアイスクリームを包んで揚げると、 外側の衣は100度以上でも、内部は0度以下です。 これは、空気や食材内部には、熱が伝わりにくいことを教えてくれます。

そして、水や空気は動き回ることで、物質に熱を伝えることもあります。 それが対流です。 茹でる時のお鍋の中の水は、まず熱源に近いお鍋の底部が高温になります。 上下で温度差が生じると、高い温度の水は、低い温度の方に流れる対流が起こります。 これを自然対流と呼びます。 この対流による流体(水や空気)が固体にぶつかることで熱を伝えて行きます。 ガスコンロの炎からフライパンに熱を伝える場合にも、炎の周りの空気が対流して加熱されます。

もう一つが放射です。 炭火で魚を焼く時に、炭から赤外線が放射されています。 赤外線は、熱線とも呼ばれ、空気を透過して、物質に当たると吸収されて熱に変わるのです。 太陽光にも赤外線は含まれていますので、肌に触れると、そこで吸収されて熱に変わり、熱さを感じます。 ガスコンロの炎からフライパンに熱を伝える場合にも、対流とともに少なからず放射によっても熱を伝えています。 以上のように、伝導、対流、放射によって熱は伝えられます。