自主独立の街 豊橋市美術博物館 久住祐一郎
城下町の遺産を継承する街
今回は、豊橋市美術博物館の学芸員である久住祐一郎さんです。 この番組で毎回冒頭に、豊橋市の徽章でもある千切りマークを描いてスタートをしていますが、 このマークの背後にあるものをお伝えしたいと常々思っていました。 すると、相応しい人物が、すぐそばにおられて、今回お招きできました。 こちらより視聴できます。
打合せの時に、久住さんの著書「三河吉田藩」の存在を初めて知りました。 すぐに、書店で買い求めて読んでみたところ、分かりやすく整理されていて、 今までこの本を知らなったことを残念に思いました。 今回の番組の種本でもありますが、この本を通じて、郷土の歴史の理解が深まりました。 一人でも多くの豊橋市民に、この本を自発的に読んでもらいたいです。
松平信明(のぶあきら)が老中に就任した時に、家臣たちに伝えた言葉が 今回のキーワードでした。 「御役家(おやくけ)の儀は諸家の鏡にも相成る」 この言葉こそ千切りマークの背後にあるものだと思いました。 私なりに、日本を先導していくことであり、その責任をもつことと解しました。 そんな覚悟を豊橋市民として持ち合わせて参りたいです。
その精神のもとに、大正時代から昭和の初期にかけて、大河内正敏さんの 理化学研究所での華々しい活躍があったと思いました。 そして、豊橋技術科学大学が、わが故郷に開設されたのも何か意味のあることに思えて参ります。 番組タイトルの「自主独立の街」は決して偶然の命名ではなく、 わが故郷の歴史を継承していく視点では必然のものだと励まされました。(2021年9月3日)