とても8月中に夏休みが終われる暑さではない時代
詩
『夏休みの記憶』
Ⅰ
カナカナカナ カナカナカナ
ヒグラシの鳴く薄暮時
進まぬ宿題放り出し
大声出して鬼ごっこ
カナカナカナ カナカナカナ
おーいこっちだ そらそらこっちだ
ケラケラケラ ケラケラケラ
そろそろ帰る? いいや、まだまだ
カナカナカナ ケラケラケラ
伸びた影が追いかけ追われ
逢魔時のラプソディ
Ⅱ
「ゆうこちゃんは、大人になったら何になりたい?」
「警察官!」
「あれ、『お母さん』って言ってなかった?」
「お母さんにはなるんやめた。」
Ⅲ
はやくおとなになりたくて
うじうじうじうじしてました
あんまりうじうじしてたものだから
おとなになれずじまいでした
でも、よかったな
おとなにならないで
なれないで
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