ボドゲ導入手ほどき 第1回『ラブレター』

 ボートゲームが、ここそこで広がっているのを感じる場面が多くてうれしいことが増えてきた。参加させてもらっているゲーム会もいくつかある。自分にとっての本流のTRPGより機会や時間が多いのはちょっと複雑な気分ではあるけど、知り合いが増えて、なにかにつながる出会いだったり、TRPGの機会に繋がってくれればとも思う。

 てことで、人生ゲームウノくらいしか知らない人や、人狼のうわさだけを聞いてゲーム会に来たような人に、「ボードゲームって楽しい。また遊んでみたい。」と言ってもらえる導線メニューを書いておく。

人生ゲーム型ではなく、自身の判断があり、ルールがシンプルなものを実体験してもらう

 人生ゲームは、実は考える部分はない。ルーレットで出た数字に従い、止まったマスに書いてあることを処理するだけ。これは実は、今時分のボードゲームとは決定的に違う点。いまのゲームは、「自身で判断する」ことがゲームの展開や決着に影響することが面白い仕組みであり、公平な点でもある(「人狼」や「ディプロマシー」のような、全面的にプレイヤーが考え判断する、というのも、反対側からの視点としては古いゲームだと思う)。これを、プレイしてもらうのが簡単で、かつプレイすることで「目から鱗」してくれるのが『ラブレター』だ。

1.このゲームは、自分の番が来たら、手札が一枚あるところに、山札からカードを一枚引いて、この二枚のうち一枚を場に出すだけです。場に出たときは、カードに書いてあることが起こります。ルールはこれだけです。
2.
プレイヤーであるあなたは旅人です。ある立ち寄った国で、お姫さまを見かけて好きになってしまいます(各カードを表でテーブル上に見えるよう広げながら)。なので最大の目的の王女が一番大きい数字のカードです。
3.姫の周囲には、当然ながら大臣とか将軍とか騎士なんて取り巻きがいて、僧侶、魔術師なんてのもいます。が、これらはフレーバーで覚える必要はありません。順番にカードのテキストを見ておきましょう。これもなんとなくでいいです。ゲームが始まって、手元に来た時にしっかり見ればいいですから。左上の数字は、大臣と騎士のカードが関わるとだけ、今は見ておいてください。
4.では練習に、いちプレイやってみましょう。

 これでもう、どんな初心者でも、ルーレットと書いてあることを処理するものがボードゲーム、という目のうろこは落ちてます。ボードがあるからボードゲームという固定概念も。 覚えるルールは「引く」「出す」の二つだけであることを強調します。ようは簡単だと。参加している初心者が呑み込めているかどうかの確認は不要。二手くらいはぎこちなかったり、カードのテキストで質問してくるかもしれないが、プレイに支障が出るほどにはならない。
 三手くらいまでには一度、たいてい兵士で兵士を指定する。これはまずは「プレイがわかってきて前のめりになれましたね。だけど兵士では、兵士以外を指定しましょう」という形で指摘する。「間違った」と言ってはいけない
 完全な勝負がつく前に止めてもいいくらいで、「では、遊び方がわかったところで、実戦プレイしてみましょう。」といって、カード切りなおし、開始手札を配って規定の3ラウンドを遊びます。

 ただし、この段階ではどんなに楽しくて、ねだられたとしても『ラブレター』は2ゲームまでしか遊びません。鋭い人だと、2ゲーム中盤には、なんのカードが何枚プレイ済みで、誰がなにを手札にしているかを推測しようとし始めます。そうなってからの勝敗は「楽しいプレイ」を通り越し、「勝った」場合はへんな優越を(負けることへの脆弱性がついてしまう)、負けたときには「悔しい」「負けた」という感想を膨らませてしまう(入口でマイナスな感情が残ると去ってしまう)ので避けるのです。

『ラブレター』

 ゲームを変えたからといって、初心者が勝つことが多くなるかといえば、そんなことは当然なく負けます。ですが、コンポーネントが多く、複雑になっていくことと、はじめて遊ぶゲームでいきなり勝てるわけがないと考えることができます。負けても気分が傷つくことなく、たくさんのゲームを面白く、ルールもこなして遊べ、たまに偶然にでも勝てれば、「楽しかった」感想だけで過ごしてもらえるでしょう。

 そもそも私の場合は「ラブレター」の時点で引きの弱さで負け、普通にやっても勝ちを提供いたしますん。

 その先は、『スプラッシュ!』『アクエリアス』『海底探険』『犯人は踊る』『星の王子さま その先の物語』『八分帝国』『チケット・トゥ・ライド アメリカ』とかを続けるんですが、それはまた次のノートで(書いてみたら結構書いてた)。

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