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Vol.26 オシャレお兄さん
この前、初めて自分のコートを買いました。
先月の成人式の日、スーツに合うアウターということでお父さんのシックなネイビーのコートを借りたんですが、これが個人的にどハマりしました。アウター変えるだけでこんなにシュッとシルエットが締まるんだなと目目が点です。
それを機に、冬もピークを迎えそろそろ下り坂に入ろうかというこの時期になってようやくコートを探し始めました。
とは言っても難しいんですねー...
元来、ファッションに自信をもてないまま生きてきた人間でして、いざコートを探そうと思っても、「自分に合うコートって?」「そもそもコートいっぱい種類ない?」「あれ、思ったより高いぞ...」なんて具合に難しいんです。ネットで基礎的な知識は抑えて、実際にお店を回ってみますが、どれも何かピンとこない。
そんな中、とあるお店に出会います。
その店は、前々から名前は知っていたけれど、お値段やブランドイメージから、なんとなく敷居の高さを感じていたお店でした。まあ高いお店の良いコートの高さの所以を触って感じられたらいいかなと思って入ってみることに。
マンバンヘアの似合う店員さん
入店早々、店員さんに声をかけられます。
ここまでは想定通り。値が張ることは重々知ってるつもりです。乗せられて買うなんてことはしないと固く誓って臨んでいます。
想定外だったのは、出てきた店員さんの僕ウケする見た目と、人の良さ。
マンバンヘアが最近なんだかすごく好きなんです。
マンバンヘアというのは、ロングヘアの方が、前髪からトップの毛までオールバックのようにして後ろに持っていき、後頭部でお団子のように髪をまとめる髪型のこと。表現あってるかな。
初めにビビッときたのは、ウォルシュ・ジュリアン選手という陸上400mの選手がマンバンにしてたのを見た高校1年の時。僕も陸上をやっていた端くれだったわけですが、陸上選手としての単純な速さ、世界の舞台で堂々と走ることができる芯の太さ、掲げる夢の大きさ。僕と正反対のものをたくさん持っている気がして、それらが僕から一番かけ離れたマンバンヘアという髪型にすべて集約されて象徴されている、みたいな感じを覚えました。
だから、憧れ、羨望、期待、自己嫌悪、いろいろ込み込みの髪型です。ただの「好き」だけではないんですよね。結局、マンバンにしたことはまだ一回もありません。
話を戻すと、そのマンバンが見事に似合っていたのが僕の対応をしてくれた店員さんでした。黒とくすんだ赤のニットにシルエットのゆったりしたパンツ、足元はフォーマルな革の靴で締める。頭から爪先まで全身でバッチリ決まってました。
もうコートよりこの人を見ていたいなんて思いながら、店員さんと一緒に店内を物色することにします。今まで手を出してこなかったアイテムを見て触って試着して。店員さんも乗せ方がうまいから(あれ?)、「これがいい」「あれ似合いそう」なんていろいろ見させてもらって、気づけばその店だけで既に1時間が経とうとしています。
いかんいかんぞ、と。自分の本懐は納得できるコートを一着買うこと。他に目移りしている場合ではないのです。
「もうこんな時期ですけど、コートが一着欲しいんですよね」
と本題を切り出します。(1時間何してたんだこいつ)
店員さんは「あー、そうでしたか!」と嫌な顔一つせずに、コートの売り場に連れて行ってくれておすすめのコートを教えてくださりました。横幅の広いものから丈が長くて細身に決まるものまで、いろいろ種類があります。
優柔不断を発動させてしまう僕は、試着室の一角を占拠して、コートを着ては脱いで見比べます。
どのコートはどんなシルエットにしてどんな色味を合わせると整って見えるか、いろいろ教えていただきたした。
このあたりから、店員さんのお話も少しずつ聞けました。
着る服はどうやって選ぶべきかという話から、店員さんの服持論に入ります。
服は自分の世界観を表現する1番の手段。店員さんの世界観には「余裕」が重要な要素としてあるそうです。ゆとりのあるニットやパンツ、ゆったり履けるスニーカーが好きなんだそうで。どんな忙しい日々でも、まずは外側から余裕をつくる。すると、ふっと気が緩んで、心にも余裕ができる。
服にはそんな力がある気がするんですよね〜
みたいなお話をお聞きしました。
ちょっと内緒話らしいですが、今のお店から近々独立して、自分のお店をもつことを計画中だそうです。コンセプトは「大人カジュアル」。大人でもゆったりラフに、でもしっかりきれいにまとめるアイテムを揃えたショップ。目指すということです。オープンしたらぜひとも行ってみたい。
そんなこんなで、僕のコートを求めるロングロングショッピングが終わりました。そのお店で過ごした時間は、2時間半ほど。長い時間、丁寧な接客本当にありがとうございました。
購入したのは、膝丈のネイビーのコート、とニット...どちらも僕からすると決して安くないやつです。
ニットまで購入しちゃったのは、コートに合わせてみた時に色合いがめちゃめちゃ気に入ったのと、店員さんのお褒めの言葉がとっても嬉しかったから。乗せられたんじゃなく乗ったんだと自分に言い聞かせます。
春物が出たらまた行ってきます!
読んでいただきありがとうございました!
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