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企画メシ2024 #1 「自分の広告」

コピーライター阿部広太郎さん主宰の『企画でメシを食っていく』略して『企画メシ』の連続講座に参加しています。

その1回目「自分の広告」講義で感じたことを書いていきます。


真剣さが足りなかった。



まずは自己紹介。


こんにちは、布野カツヒデといいます。
私の職業はグラフィックデザイナー・アートディレクター。島根県在住、生まれも育ちも島根県、仕事もずっと島根県。
ですので、デザインという職に関して、自分なりにがんばっているけれど、都会の常識を知らない、一流のデザインの現場を知らない、そういう気持ちが常にあります。
いつまでたっても「自信」が無く、自分のデザインはどうせたいしたことはないと、自分で自分をみくびっていました。

そんな時、ほんとうに偶然。
阿部広太郎さんのサイン本を購入する機会があり、その本のページを開くと…

※私がコピーライター田中泰延さんの著書『会って、話すこと。』のオンライン新刊イベントを視聴、田中さんの対談相手が阿部広太郎さんで、田中さんと阿部さんの本を購入しました。

「勝手に自分をみくびらない」

驚きました。
コピーライターってすごいなと思いました。

この言葉をきっかけに、今まで「自分とは関係がない」と思っていることにもチャレンジしてみようと、 阿部広太郎さんが講師を務める宣伝会議の講座『コピーライター養成講座×アートディレクター養成講座「アートとコピー」コース 阿部広太郎クラス』に参加しました。
宣伝会議の講座は優秀な人たちが受講するもので、有名な講師陣の名前を見て「すごいなぁ」と思うくらいで、自分とは関係ない世界の話しだと思っていたのです。

その後。アートとコピーを修了し、そこで出会ったコピー生のみなさんと(私はアート生)と、販促コンペや朝日広告賞、毎日広告賞など、さまざまなコンペに出品し、おもいがけず好成績を収めることができたり、普段の仕事でも全国規模の広告賞を受賞するなど、自分に自信を持てるような出来事が続きました。これらはもちろん自分の力だけで勝ち取ったものではなく、全て、人との出会いで得ることのできた成果でした。


もうひとつ。
これも偶然の出来事なのですが、私はたまたま「占い」を受けました。
占い師の名前は「コスモ・オナン」
占いなので仕事運とかの話しになり「SNSやってないですか? Twitterとかインスタとか気軽に作品を紹介した方がいいですよ。noteって知ってます? 作品画像をアップして紹介文章を書いたらいいのでは? 文章の練習にもなるし」とアドバイスをもらいました。

コスモ・オナンさんは、その後さっそくTwitterのプロフィールを考えてくれて。布野さんで、ツチノコを探すデザイナーだから名前は「ふののこ」で、プロフィールは「島根県在住つちのこを愛し、探すデザイナー」くらいで短くしておいた方がいいかも。と提案してくれました。

さらに、私がnoteを書いたとき、添削してくれました。
私の初めてのnoetは、自分のデザインを自虐的に紹介した内容。
苦い反応でした「自分で作った、自分の作品を自分でけなすのはよくない」「他のことはいいかもだけど自分の仕事を悪く書かないほうがいい」「嫌いとかダメとかマイナスの言葉を使わない方がいい、言い換えましょう」と指導されました。
私はとにかくへりくだりすぎていたのです。

コスモ・オナンさんは、その後「稲田万里」という本名で小説を出版されます。『全部を賭けない恋がはじまれば』 (ひろのぶと株式会社)

占い師であり作家でもある稲田さん。文章を書いてお金を得る言葉のプロです。どんなキャリアを歩んできたのか尋ねてみると、専門的に文章を勉強したことも、職業がコピーライターだったということもない。ただ「企画メシ」のOBだったのです。

驚きました。
自分で自分のことを悪く言うな、マイナスの言葉を使うな。と指導してくれた稲田さんは、阿部さんの教え子だったのです。

なるほど!と納得しました。


こんな偶然と成果が続き、いつか阿部さんの講座をまた受けてみたいと思っていたので、たまたま仲のよいコピー生の方が企画メシ2023に参加していたのと、「いいチームをつくるための連続講座」というタイトルにも後押しされて、企画メシ2024に応募しました。


ここまで、なんとなく順調に進んでいるような、しかし、それでも漠然とした悩みがりました。



このままだといつか後悔するのではないか。


最近は1日があっという間に過ぎていきます。スタッフが15人いるデザイン事務所の社長としての業務と、現場のデザイナーとして制作もやっていて、打合せや撮影などで出かけてしまうと1日が消し飛んだかのように感じることがあります。
ほんとうに起きてから寝る直前まで働いているような感覚でいるのですが、先月、先週、おととい、昨日、何の仕事をしてたっけ?というような有り様で、達成感があるような無いような…。

時間の感覚が若い時と違ってきていて、1日、1ヶ月、1年がとても早い、1年前の出来事も昨日のことのように思うし、気がついたらもうこんなに時間が経っていたと思うことがしばしばです。

周囲の人がどんどん歳をとり、若い時から楽しく一緒に仕事をしている仲間たちもいい歳になってしまいました。先輩たちは引退し、私によくしてくれたもっと先輩の人たちは亡くなっていきます。

私に関わってくれた人たち、大事にしたい人たち、特に優しく親切にしてくれた人たち(家族や親戚も含めてですが)。
そんな人達に対して何もできていない、なにかこのままだととんでもなく後悔するんじゃないか。というのが最近の漠然とした悩みです。

デザインする、企画する、言葉は違いますが考え方は似ている気がします。会社を経営しているということは、会社を企画しているわけで、仲間や外注先、応援してくれる人、クライアント、関係する人はどんどん増えていきます。巻き込んだ、と言ってもいいかもと思います。
日々デザインの仕事をしている。ということは日々何かを企画しているようなもの。やはり誰かを巻き込んでいます。
少なくとも企画を完遂する能力がなければ、巻き込んだ人に迷惑がかかるし、人生の貴重な時間を台無しにしてしまう可能性がある。
仕事は毎回終えてはいるけれど、本当にこのままでいいのか、なにかが足りていない。

ここのところ、アートとコピーを受講したこともあり、コピーライターの方と一緒に仕事をさせていただく機会ができました。
実感として。
私のようなアートディレクターは、なんとなくのアイデアをいろいろ考えて、おもしろそうだからやってみようというところまでは得意なのですが、その先で「これ意味あるのか?」となりがちです。
それに対しコピーライターの方は言葉を使って、今やっていることに意味を与える能力がある。企画力がある。
私は「やっていることに意味を与えたり、見出す」能力をみにつけたい。
企画力とは「アイデアに意味を与える技術」だと思います。その技術をみにつけたい。

こういったことが悩みとしてあり、企画メシを受講しようと思った大きな動機になっています。




真剣に、真摯に生きていたか



そんな状況で、2024年6月29日がやってきました。

第一回目の講義を終えた感想は「自分は真剣さが足りなかった」「課題に対して真摯でなかった」です。
不思議な感覚ですが、真剣にやっているつもりだったのに、自分は真剣ではなかったと気付いたというか…。

この講座では、当日までに与えられた課題を事前に提出するのですが、今回の課題は「自分の広告」。

私は今回の「自分の広告」の「広告」とは、あいさつだと思いました。
きもちのよいあいさつができれば、相手との距離が縮まりますよね。だからなるべくきもちのよいあいさつができればいい。
そう考えたのです。

しかし、実際に作った作品は「きもちのよいあいさつ」とは程遠いものでした。※とてもここに画像あげられない。

私が今、このnoteに書いたことが、企画メシに望む理由で。広告はあいさつ。だとすると、私はデザイナーとして、ここまでの気持ちを「ワンキャッチ、ワンビジュアル」で表現できるように努力するべきだった。

そして講義を受けている最中。課題に対する取り組み方が本当の真剣さを欠いていた、というだけにとどまらず、自分の生き方そのものがまだまだ真剣でなかったな。と思ったのです。
真剣さという言葉が正しいのかわからないですが、真摯に向き合っていないというか、いい加減だったと言うか。斜に構えていたのかな?というショックというか不思議な気持ちで 6月29日を終えました。

自分は忙しいのだ。という状況に逃げていた?

やってる感で、感覚が麻痺していた?

なんかやって目立とうとしたのか?

直接、講座で「もっと真剣にやろうよ!」と言われたわけではないですし、自分が普段真剣に取り組んでないわけではないとも思うのですが、「真剣さ」をもっと深く、本気で真剣にやる。そういう気持ちが足りていない。

そして、その姿勢こそが、今の自分の悩みを解決してくれそうな気もしています。



自分の職能と真剣に真摯に向き合う。


そんなわけで、講義のあとの今日までの1週間はかなり真剣に過ごしてきました。

朝起きたら「真剣、真剣」と唱え、仕事に取り組みます。そうして1週間経ってみると、自分が何に対して真剣で、真摯であるべきなのかがなんとなくわかってきました。


デザインに対して、真剣に、真摯に向き合う姿勢を忘れない。


毎日いろんなことがあるので、全てに対して真剣というわけにもいかない。ただ、なにかをデザインする機会を与えてもらったら、その機会に対してだけは真摯でいれたら。

それだけで、けっこう、毎日気持ちよく過ごせる気がしています。

結局、いつまで経っても「自分で自分をみくびっている」んだな。
でも、今は少しだけ晴々としたきもちです。

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