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何故、小松菜は君たち、飽きないの???ーーーインコとの生活あれこれその3


我が家には、たくさんのインコがいる。

先日、1羽天国へ帰っていったので、36羽になったけれど、たぶんそれでも、少ない数じゃないだろう。

インコというのは、基本、穀物を主食とする(らしい)。もちろん、自然界にいるときは、そのままを食べるわけですな。

オーストラリアに、モモイロインコという大きなインコ(インコと言ってますが、実は、オウムです。この辺は、またいずれ)がいる。大きなインコのくせに、群れを作って生活しているらしい。まぁ、猛禽類(ワシやタカなどの、肉食の鳥さんたちのことです)ではないし、穏やかな性格の種族なので、一人ではなく仲間といるほうが、安心するのだろう。

このモモイロインコは、オーストラリアでは「小麦の害鳥」として、有名らしい。彼らが、小麦が熟するころ、大挙して、小麦を食べに来るのだとか。何しろ身体が大きいから、麦の穂を押し倒して、穂をついばんで食べる量が半端ではないらしいのだ。”害鳥”呼ばわりされているのだから、小麦農家の方々からすれば、相当な被害が出るのだろう。

実は、我が家にも1羽だけ、女の子のモモイロインコがいる。訳があって、半額で売りに出されていた子。何しろ、モモイロインコは相方も私も憧れていた種族。実際に別々にお店に会いに出かけ、いろいろ検討して、お迎えした。名前は、”モモ”。いろいろ考えたのだけれど、良い名前が浮かばなかったのだ。今では、ちょっとあだ名めいた呼び方がいくつかあるけれど、それらが自分を呼んでいるとわかっている賢い子だ。

ただ、うちのモモは、”小麦の害鳥”には、なれない子だ。お迎えした当初は、いろいろ食べさせていて、小麦も当然上げていたのだけれど、最初こそ珍しいのか、食べていたけれど、小麦は固いし粒が小さいのだ。大きな彼女のお口や足でつまむには、面倒だし、不便だったらしい。それほどの苦労をしても、おなかの足しにはあまりならないし。それで、「あたし、これ、もういらないです」とばかりに、捨てるようになってしまった。ほかの子は、食べてくれないので、我が家では、小麦は、彼らの食事から消えることになった。

このモモの小麦のようなことは、我が家ではよくある。たぶん、複数の鳥さんと暮らしている方ならば、インコでなくても経験があるはず、である。いや、鳥さんでなくても、ワンチャンでもネコさんでも、食の好みが違うということは、珍しいことではないと思う。

オカメインコたちにしてから、そうなのだ。26羽のオカメインコの食の好みは、微妙に違っている。彼らの食事は、ヒエ・アワ・キビ・カナリーシードを配合した皮付きの主食に、カルシウム分としての白ボレー(カキガラをくだいたもの)と、水と野菜が、基本である。

ここへ、補助食として、ペレット(ワンチャンや猫さんのドライフードのようなもの)を混ぜて、粟の穂を崩したものを少し入れている。ただ、このペレットには、アレルギーが出る子もいるし、粟の穂を食べていると好きすぎてほかのご飯を食べないので、入れなかったりなど、それぞれ工夫をしたりしている。

そんな彼らなのに、一つだけ、全員「これじゃなくちゃ、だめ!!!」というのがある。それが、小松菜なのだ。

彼らに野菜を食べさせるのは、鳥さんの身体が、ビタミンAが足りない仕組みだからだと、以前、かかりつけのドクターから指導された。だから、緑黄色野菜なら、良いわけだ。特に、緑が濃いもので、小松菜とかほうれん草だとか、ニンジンやパセリ、ブロッコリーなどなど。ピーマンなどでも食べるのならいいらしい。我が家では、色が濃いからいいだろうと、カボチャを上げるときもある。カボチャやニンジンは、もちろん、刻むんですよ、はい。ブロッコリーは、小房に分けますしね。ピーマンやパセリは、我が家では出しませんし、ほうれん草は灰汁が良くない、という話もあって、これまた出しません。一部の大きなインコを除くと、すべて、生で出すのです。

ドクターからは、なるべくいろいろ食べさせるように、ということだったし、季節やお天気で、小松菜が手に入らないこともあるので、ニンジンだのカボチャだの、あるいはスナップエンドウだのあげてみる。その日は、喜んで食べてくれるのだが、小松菜でない日が、3日以上続くと、ことに、オカメさんたちが、泣きを入れてくるのだ。

「葉っぱをくれ!!」と。

我が家には、お世話の時の道具があるが、小松菜などの野菜は、昔使っていた炊飯器のおかまに入れて使う(炊飯器本体は、かなり昔にサヨナラしています)。それを見慣れている彼らなので、この”なっぱおけ”がないことは、かなりのダメージらしい。にんじんやカボチャを入れた別の容器があるわけだけれど、彼らからしたら、「今日は、野菜(=葉っぱ)がない!」という認識になるらしい。何故、彼らが、こんなに小松菜が好きなのかが、わからんのだけれど。

不思議に思われる方もあるかもしれない。「え? 小松菜が、お店にないってこと、ある?」とか、「え❓ 炊飯器のおかまに、小松菜入れるって、どうゆうこと❓」とか。

つまり、ですな。一日で使う量が半端ではないので、仮にお店で売っていたとしても、足りない、ということが出てくる。生で食べさせるので、傷みが激しいものは、我が家ではNGだし。また、小松菜を保存している冷蔵庫がある部屋は2階だけれど、インコたちがいる部屋は3階だ。世話をするときに、1羽1羽分をいちいち冷蔵庫からとって来るなんて、いろんな意味でナンセンスだから、まとめて、持ってくる。その小松菜は、ほぼ束だから、世話をするときに、オケがあれば、そこからとって使えばいいわけですわね。

酷暑の折、あるいは、台風などの悪天候が続くなどして、小松菜が店頭に出ないとき、あるいは、出ても高値で思うような量が買えないときもある。そういう時は、1羽に付き、葉っぱ1枚、なんてこともある。大体、ふつうは、1羽に一株なので、悲しそうな顔をされることもある(もちろん、一株とはいっても、かなりの大株だと、葉を分けて、何羽かにあげることはしています)。そういう時は、「ごめんね、今、お店に、葉っぱがあんまりなくてね。今は、我慢してね」と、声をかけたりする。

昔は、大盤振る舞い傾向のあった私だけれど、いろんなことがあって、その子の好みによって、量を調整するようになった。小松菜を食べるだけでなく、ストレス解消に使う子もいる。こういう子は、葉っぱも好きだけれど、軸をがりがりするのも大好き。決して、広いとは言えないかごの中で、快適に暮らす工夫を、彼らなりにしてくれているらしい。

でまぁ、この小松菜の買い出しが、大仕事なわけです。以前、大好きなMiekaruさんが、魚屋さんとのお付き合いの楽しいお話を書いてらしたけれど、我が家の場合は、これが八百屋さんだったり、スーパーだったりする。この話もしようと思ったけれど、長くなってきたので、別便で書くことにします。

また、来週の初めには、春の嵐とか。小松菜を大量に必要とする家族を抱えている身としては、頭が痛いですわぁ。季節の変わり目で、やむを得ないですがね。皆様も、くれぐれもお気をつけて。

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