見出し画像

クラシックコメディ映画祭2023

しばらく前だけど(いつも投稿が遅い)、
神戸のクラシックコメディ映画祭2023の最終日、旧グッゲンハイム邸でのプログラムを観に行ってきました。

今回見たプログラムはオランダのアイ映画博物館にある貴重な1900年代(つまり第一次世界大戦以前)のイタリア、フランスの短編コメディをなんと9本も!
どの役者も動きが表現力豊かでおもしろくて、どれも映画でしかできない手法で作られたドタバタ喜劇でめっちゃおもしろかったです!
全てサイレント映画で、今回はピアノ生伴奏があって映画を一層盛り立ててました。

客層は、多分、この邸で行われているイベントのファンか、ほとんどがクラシック映画ファンだったと思います。

あらすじををメモとして書き留めときます。覚えてる分だけ〜(^_^;)


【フランス&イタリア初期喜劇集】

🎬 新年おめでとう! Buon Anno!

(1909/5分/サイレント)アンブロジオ
監督:不明 
出演:エルネスト・ヴァセル

■めでたく新年を迎えたお家のご主人に、新年の縁起物を持ってやってくる人がいた。受け取るとお金を要求してくるので支払う。次に郵便配達人がやってきて手紙を渡した後に縁起物を出してこれどうですか?というのでご主人は買ってあげる。玄関から外に出るとまた別の人が縁起物を買ってくれと言うので、お金は支払うけどもううんざりしてその縁起物は投げ捨てた。カフェに行けば給仕が、理容院に行けば理容師が、と次々に縁起物を持った人が増えて追いかけてきて、ご主人は騒ぎを起こしたということで捕まり拘置所に入れられる。そこで1910年1月1日と書かれたボードがたくさん出てくる夢を見てうなされるのだった。


🎬 笑い話 Julot a le Sourire

(1910/5分/サイレント)エクリプス
監督・出演:不明
■友達から面白い話を聞いた男が笑い転げて、こんな面白い話はみんなに教えないと!と出かけていく。カフェで将棋を打ってる男たち、ベビーカーの中の子供、銅像、洗濯女たち、水中の潜水士…。それぞれの人たちがそれぞれのやり方で男を追い払う。お家に帰って食事のテーブルの支度をしている女房にも伝えようとしてドタバタになってしまうのだが、男は傷だらけになっても笑いが止まらない。


🎬 ビル君と女房 Patouillard a une Femme Jalouse

(1911/6分/サイレント)ラックス
監督:ロメオ・ボゼッティ 
出演:ポール・ベルト
■ふとしたきっかけで夫が浮気をしているのじゃないかと心配になったとても太った奥さんが、髭をつけて男に変装して様子を探りにいく。するとカフェで女性と話しているではないか!それは実は友人の奥さんで、旦那さんがちょっと席を外しているだけだったのだが、妙な具合に勘違いをして怒ってつけていくことに。車に引きづられたりしながらも、最後は勘違いだったことがわかって、元のラブラブ夫婦に戻れました。


🎬 影への恐怖 La Peur des Ombres

(1911/4分/サイレント)パテ・フレール
監督:ロメオ・ボゼッティ 出演:不明
■近くで凶悪犯罪が起きたらしい。旦那が仕事で家を出ていくと、家に残された女性二人は窓から入ってくる二人の人物の影を見つける。影が襲ったり首をしめたりしている様子が見えて女性たちは恐怖を覚える。震えながら警察に電話をすると、警察はすぐに自転車で急行する。怖がる女性たち、急行する警察官、仕事をする旦那(確か)、その様子が三分割画面で映される。警察官が来て様子を見にいくと、その真相は、外で男女がイチャイチャあーでもないこーでもないと楽しく喋っていただけの影なのであった。


🎬 マックスのガス漏れ La Fuite de Gaz

(1912/5分/サイレント)
監督・出演:マックス・ランデー
■街で見かけた美女を追いかけて、お家の前までつけてきた男(マックス)。どうやらお家の中ではガス漏れが起こっているらしい。やってきたガス修理工を買収して成りすまし、ちゃっかりお家の中へ入る男。旦那がいて邪魔だなあと、あの手この手で旦那を追い払い、奥さんをナンパしながら修理をするふりをしていると、壁に穴を開けてしまい水が吹き出して止まらなくなってしまう。


🎬 オネジムvsオネジム Onésime contre Onésime

(1912/9分/サイレント)ゴーモン
監督:ジャン・デュラン 
出演:エルネスト・ブルボン
■一人の人の中に天使と悪魔がいるらしい。合成?で同じ人が二人出てきてあれこれする。女性を誘うにも食事をするにも常に葛藤し、時には体を張って争うのだった。悪魔は意地悪だけど笑い顔でのんき、天使は節度があるけど真面目で時には辛そうな顔をしているのが印象的だった。


🎬 奇跡の傘 Zoé et le Parapluie Miraculeux

(1913/4分/サイレント)パテ・フレール
監督:ロメオ・ボゼッティ 
出演:リトル・クリシア
■舞台で行われていたマジックショー。その傘をさすと欲しいものがいっぱい降ってくる。観客席まで降ってくるから劇場は大騒ぎ。騒ぎに乗じて一人の女性がその傘を盗み出した。道端で、あの女性が被っている帽子いいな〜って思って傘をさすと帽子がたくさん降ってくる、家で椅子が壊れてるな〜って傘をさすと椅子がたくさんに降ってくるという具合に、傘でいろんなモノを大量に降らせて女性は上機嫌。それから(なんでか忘れたけど)雨を降らせて、だんだん大雨になって、画面が見えなくなるほど土砂降りになっていく。


🎬 ロザリーのフォノグラフ Rosalie et son Phonographie

(1913/4分/サイレント)パテ・フレール
監督:ロメオ・ボゼッティ 出演:サラ・デュアメル
■家に蓄音器が届けられた女性。嬉しそうに箱を開けてセットして、レコードをかけるとあら不思議、周りのものや家具がクルクル回転し始めた。なんて楽しいの!と蓄音機を持って出かける。いく先々でレコードかけると周りのものや家具がクルクル回転。喧嘩をしていた人たちのところでかけると、やっぱり周りのものや家具がクルクル回転してしまうのでみんなハッピーになるのだった。


🎬 ダム君の記者 Robinet Reporter

(1913/13分/サイレント)アンブロジオ
監督・出演:マルセル・ペレーズ
■偉い将軍が街にやってくるというので取材を任されたダム記者。張り切って向かったが将軍に取材を断られてしまう。でもそんなことではひるまぬダム君。宴席のテーブルの下から出てきたり、ルームサービスのメイドに女装して部屋に入り込んだり、その度にドタバタしてつまみ出される。挙句に果てには風呂場の湯船の中から出てきたりまでして、絶対に諦めない。そしてついについに!取材を許されるのだった。



他の日のプログラムでは三バカ大将もやってたりして、聞くところによると、そのとき現地には「三バカ大将のファンなんです〜」という若い女性も来てたとか。それを聞いて、ドタバタコメディを理解する層がもっと広がったらいいなと思いました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?