法廷ドラマの愛すべき脇役たち
始まりはたまたま観た「グッド・ファイト」というシカゴが舞台の法廷ドラマ。
そこに出てきたエルズベス・タシオニというちょっと変わった弁護士が気になって、配信されているシーズン1〜3を全部観てしまいました。
そして「グッド・ファイト」は「グッド・ワイフ」のスピンオフなので、そっちも気になってなんとシーズン7まで全部観てしまいました。
そしたらそこにも愛すべき脇役たちが!
というわけで気になった登場人物を書いていきます。
エルズベス・タシオニ Elsbeth Tascioni
タシオニはたまにしか出てこない脇役なんだけど、本筋で主人公たちがピンチのときに救いを求めて彼女に頼ると、誰も思いつかないような突飛な方法で救世主のように問題を解決していきます。
トレードマークはワインレッドの赤毛とオシャレな服装。綺麗で派手な柄ものジャケットやディテールが可愛いブラウスが多くて憧れます。それからいつも派手な柄のトートバッグを複数持ち歩いています。
見た目を裏切らない可愛い声で、豊かなジェスチャー、物を落としたり、ズッコケや奇妙な言動も多くておちゃめ。思考があちこちに飛びながら相談に乗ったり、対抗相手をやり込めていく姿がたまりません。タシオニのシーンだけ集めて何度も観たいくらいです。
↑この回はタシオニ回 s5e6。
敵対する検事に惚れられ、追いかけられ、押しかけられ、ついに恋に落ちます。
Call me maybe という曲に掛け合わせてとてもキュートな展開です。
裁判は最後にはタシオニが勝って爽やかに終わります。
シーズン7ではタシオニの元旦那も登場してちょっと愉快なことになります。
演じているのは、キャリー・プレストン Carry Preston 。インスタを見たら、普段からなんとなくそういう感じの人らしく、ますます好きになりました。
イーライ・ゴールド Eli Gold
アラン・カミング Alan Cumming が演じるやり手のコンサルタント、のちに州知事の補佐官となる役です。
初登場するときの前フリが、裏社会に通じた怖そうな人っていうイメージだったのでビビっていたんですが、出てきてすぐに惹かれたのは、ちょっとマーク・アーモンド marc Almond に似ているからかもしれません。ピーウィー・ハーマン Pee Wee Herman にも似ています。クラウス・ノミ Klaus Nomi にも似てる気がします。似てません?
イーライは、この長いドラマにほぼレギュラーで登場していて州知事を支える役ですが、一生懸命なあまり裏工作を頑張っては墓穴をほったり、州知事と世間、州知事とその妻、周囲の人たちの間でほんろうされながらも、最後まで州知事を支え通します。
イーライは、表情や立ち振舞がシュッとしつつも愛嬌があって、とてもとてもチャーミングなおじさんです。
グッド・ワイフのシーズン3に入った頃に、急に役者のアラン・カミングの他の作品を見てみたいって思って調べたら、「007ゴールデンアイ」のボリス・グリシェンコっだったって知りました。 じぇじぇじぇ! マジっすか! あの嫌なヤツだったのかと驚愕しています。
最終回の辺りにイーライの台詞でメモりたくなるフレーズがありました。
娘のマリッサが、難問を解決する重要なヒントをみつけてきたとき、
「I just got to know why people should have children. ‘Cause they could admire themselves instead someone else.」
訳:なぜ人は子供を持つべきかわかったよ、他の誰でもなく自分自身を称賛できるからだね。
要するに、「お手柄だ、でかしたマリッサ!」という、いつも噛み合わなくてケンカばかりしている娘への最大の賛辞なのでした。
可愛いお父さんです。
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↓ここからは役者名で書きます
ビル・アーウィン Bill Irwin
(s2e17 フレッド・メドキフ役)
オフィスに現れた仲裁人の役でした。突然出てきて1回ポッキリだったので、本当にゲスト出演でしたね。
だいたい座っててニコニコ説得を試みていて、特にコメディや身体表現らしきことはしないので、うっかりそのまま見逃すところ、何気ない表情から、アレ?これはビル・アーウィン様じゃないか?と気づけたのは良かったです。
ビル・アーウィンはもともとNYを中心に活躍するパフォーマーで、身体表現がずばぬけてエキセントリックで、コメディ・パフォーマンス界では知らない人がいないくらい有名人です。たまにTVや映画にも出ています。昔、初めて?メジャーなTVに出たセサミストリートの回はかなり話題になりました(私の周辺では)。
今回はパフォーマー的な面が見られなくて残念でしたが、お顔を拝めて嬉しかったです。
ネイサン・レイン Nathan Lane
(s4e01〜 クラーク・ヘイデン役)
融通の効かない管財人の役です。後半はけっこう準レギュラーで出てきます。
身体的なコメディはいっさいなく真面目なキャラを演じていて、でも表情にネイサン・レインらしさがあふれてて親しみを感じます。
彼はもともとはブロードウェイの舞台で活躍していて、映画版「ザ・プロデューサーズ」にも出ています。私は「オースティン・パワーズ ゴールドメンバー」で知って惚れました。ビヨンセとのやり取りはめっちゃコメディの才能を発揮していましたよね。
グッドワイフの s5e14 でタシオニと絡むシーンがあります。
NYに出張中、ラウンジバーで、酔ったタシオニが浮かれて音痴な歌を歌いますが、そこでピアノを弾いているのがなんとヘイデン(ネイサン・レイン)。
ヘイデンは途中でピアノをやめ、「君、ひどい声だね」と言います。
タシオニは「わかってるわ。でもNYに来て刺激されちゃって〜」と返します。
ヘイデンは「私にとっては冷や汗もんだよ」とつぶやきます。
ネイサン・レインがブロードウェイの俳優だと思うと、これはすごく面白いジョークです。
ウィル・ヴォート Will Vought
(s5e15前説をするコメディアン役)
ほとんど横顔がちらりとしか写ってないちょい役なんですが、気になりすぎて調べました。
というのも裁判の前?集会の前?に会場内で聴衆に前説をやってて、こ慣れている感じがしたので、この人は絶対コメディアンだと思ったんです。
結局詳しいことはわかりませんでしたが、米国内でコメディクラブなどにも出没しているようです。
マシュー・リラード Matthew Lillard
(s5e11、s7e12 ロウビー・キャントン役)
楽曲の著作権、二次創作、盗作の問題で出てくる背の高いミュージシャンです。
なにかどこか気になりました。
ジョン・マガロ John Magaro
(s7e3、s7e13,14 ローランド・ラビン役)
麗しのジョン・マガロ様が出てきてびっくりしました。
最初はGHBの製造で逮捕されてましたが、実はFBIの情報屋で、アリシアとイーライの裏切りで真の目的を果たせず終わります。
再登場のときは最初偽名を使ってますが、身バレして、当面の目的である判事の悪事を暴こうとします。
ジョン・マガロは映画「マネー・ショート The big short」で観て好きになりました。とにかくお顔や振る舞いが魅力的で、そして声がキャッチーで惚れ惚れ。結婚したいくらい好きなので、まさかの登場にずっと目がハートになっていたと思います。
マイケル・J・フォックス Michael J Fox
(s2e6〜 ルイス・ケニング役)
はい、あのマイケル・J・フォックスが主人公に敵対する弁護士役でけっこう最後まで登場しています。ずる賢いけっこう嫌な役どころを好演しています。
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以上、気になった登場人物を綴ってみました。
タシオニ以外は男ばっかやん?って、い、いえ違うんです、コメディアンぽい人に目が行ってしまうんです。ほかにもまた思い出したら追記します (^o^)/
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最後にグッド・ワイフについて
ストーリーをざっくり言うと、主人公アリシアが、州検事である夫の浮気が発覚したことをきっかけに13年ぶりに弁護士に復帰し、何があっても耐えながら家族や夫を支え、数々の案件をこなして弁護士としてのし上がっていくお話です。
毎回の事件には多分そのときどきの時勢が盛りこまれてあって、リアルタイムで観ていたら興味深かっただろうと思います。
シーズン7の最終回を観終わった直後は「えええ?全然グッドなワイフじゃないやん!なんでそのタイトルなの?」って思ったんだけど、すぐに気づきました。ああ、ピーターにとっては "良妻" だったわけなんだね。つまりアリシアが最終的に離婚を決意するまでの長い長ーいお話ってことなのね、と。
それにしても、なんとも印象的なエンディングでした。
「グッド・ワイフ」の主人公たちはみんな美男美女なんだけど、正直、観ててちょっと疲れるんですよね。みんな強欲で、嘘や秘密や浮気が多くて凄まじかった。
敵が味方になり、味方が敵になりを繰り返すので、もし途中飛ばして観たらわけがわからなくなると思います。
っていうか、とにかくどいつもこいつも浮気さえしなければ数々の問題は半減するやんって思いました。演出だとはわかっているですけどね。
なので、ここに挙げたほっこりキャラ様たちがいなかったら、私にはけっこう耐えがたいドラマだっただろうと思います。
最後まで観たことで、好きな役者たちに出会えてホント良かったです。
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