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余命あと1か月、と言われたら。

もし、いま急に、余命宣告されたら。
そして残された時間が、あと1か月だったら。

不謹慎かもしれないが、よく、そんなことを妄想する。

もし私が余命宣告されたら、旅に飛び出るだろうか。

きっと仕事なんていますぐに辞めて
国内も海外も旅行に行って
まだ見ぬ景色を見て
私が生きた世界を少しでも多く目に焼き付けたくて
いろんなところに行ったり
普段できなかった非日常を
体験するんだろうか。

きっとそうすれば、この世でやり残したこともなく逝ける。
そう思ってた。

だけど年を重ねるごとに、死ぬ時最大の後悔になるのは、すぐ隣にいる人たち、人生の中で出会った人たちに感謝の気持ちを伝えず逝くことなのではないか、と思うようになった。
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もし、自分に残された時間が分かるなら。

その日に仕事を辞めて
遠くにいるあなたのもとに会いに行く
何も考えず
ずっとそばにいたい
君の腕の中で眠って
目が覚めたら見つめあって笑いあいたい

そして
実家にも帰って
親に感謝の気持ちを直接伝えたい
今まで恥ずかしくて言えなかった
本当の気持ちを伝えたい

最期は
あなたの腕の中で眠りたい
たとえ二度と起きれなかったとしても
いまの私には
ここがいちばん安らぐ場所なんだ。

残された1か月でこの目で焼き付けたい景色なんて
どこか知らない国の街並みでも
初めて見る壮大な風景でもなくて

私の手を握ってすやすや眠るあなたの寝顔だったり
一緒にご飯を食べておいしい、と目を細める顔

皿洗いをしてる母の横顔だったり
家族みんなでコタツを囲んでテレビを見る風景

君とよく行った展望台から見える海
生まれたときから住んでた実家
いつも遊んでいた公園

そんなものばかりで私の視界を埋め尽くしたい
なにげない一瞬を切り取って
記憶のなかに貼り付けておきたい

そうして
そこにあるなにげない日常が
急にとても愛おしくなって
私は
涙がとまらないんだろうな

なんでもっとはやく気づかなかったんだろう
横にいるのに、スマホばっか見てるん じゃなかった
伝えたい気持ち、もっと日頃から伝えておくんだった
と、あれやこれや後悔するんだろうな、きっと。


たとえ、自分に残された時間が分からなくても。

すぐそばにある幸せに気づけるような人でありたい。


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