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ヤマシタトモコ「違国日記 11巻」感想(ネタバレ注意)追記あり

2023年8月8日、違国日記の最終巻が発売。
あぁ、終わってしまう。終わってしまった。

中学校3年の冬休み、朝は事故で両親をいっぺんに失い、
今まで交流のなかった小説家の叔母(母の妹)槙生との生活が始まる。
物語の主人公は主に朝と槙生の2人。
だいたい、どちらかの視線で描かれることが多かったように思う。
人との交流が苦手な槙生、愛されることにてらいのない朝、
そんな2人の共同生活。

どんな風に終わるんだろう?と思っていた。
少年漫画のように敵がいて倒したら終わりではないから。
いや、しかし、ふんわりと終わってしまった。本当にふんわりと。
モヤっとしない、と言えば嘘になる。
けど、それは私の読解力の問題もあるはずなので、だからふんわり。
少年漫画的大団円もなく。

たぶん結局、朝はさみしいままだし、槙生は孤独が好きで
何も変わらない、変わっていない。
でも朝はさみしさを受け入れたように思うし、
槙生は朝のことを大切に思い、愛しているという事実を受け入れたように感じた。
また何回も読んで嚙み砕いて、噛みしめてじんわり楽しもうと思う。

海野つなみ「スプートニク」のように2人は人生の旅の友なのかもしれない。
フィール・ヤング掲載作品だけに何か衛星つながり?

そんな感じの感想。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは、また。

追記。
私は「答え合わせ」がほしかったのだ、と思ったのだ。
未来の朝が書いた
「あのときの私は…。」
という言葉たちに対する
未来の朝の答え。
それとも、それは、まだ答えの出ない途中なのだろうか。

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