ファンリーシュな人々vol.5~石井裕美子さん~
ファンリーシュに携わる仲間の想いや取り組みにフォーカスした連載「ファンリーシュな人々」。第5回は、ファンリーシュアカデミア1期生である石井裕美子さんに、ファンリーシュした(=解き放たれた)瞬間をお聞きしました。
石井裕美子(いしいゆみこ)さん
ファンリーシュアカデミアの1期生。
飲料メーカーの人事部に所属し、キャリア開発など人材育成業務に従事。2022年度には「グッドキャリア企業アワード2022」を受賞。
キャリア選択の軸となった経験
―今日はよろしくお願いします。初めに、石井さんのお仕事について教えてください。
石井裕美子さん(以下、石井):現在は飲料メーカーで変革型リーダーの育成や組織文化の変革等の仕事をしています。大学卒業後、これまでに4つの会社で働いてきましたが、実は業種も規模も担当してきた業務も全部違うのです。
―そうなのですね。キャリア選択の軸になっているものは何でしょうか?
石井:その場に留まっていたら成長が止まってしまう気がしていて、常に「成長したい」が自分の軸にあります。特に20代の時は、とにかく成長したい!が強く、自分がなんのために働くのか、どんな人生を歩みたいのかまでは正直考えていませんでした。
2社目となった人材コンサルティング会社で働いているときに、リーマンショックで給与が一気に下がったのです。その時は結構な衝撃を受けました。それまで、会社員は安泰だ、お金を稼ぐために働くのが当たり前だ、と思っていたのが見事に崩れたというか…。
仕事に追われて大切な家族や友人と会う時間もなく、期待通りの給与も得られず、私はなんのために働いているのだろうかと自問しました。そこから、何のために働くのかに向き合い出し、自分の大事なものとは何かを考えながら会社や仕事を選ぶようになりました。
―そこで気づいた自分の大事なものとは何だったのでしょう?
石井:何のために働くのかに向き合いだした際、キャリアコンサルタントの方に相談をしたのです。そうしたら、「石井さんの大事なものって、やっぱり人の成長を応援することですよね」と言われました。自分でもぼんやりとですがそんな気はしていたので、ここで一気に背中を押してもらえました。今までの経験も生かして、私はこれから人事の仕事で頑張っていこう!と次の会社を選び、3社目の会社に転職しました。
そして、自分の大事なものが腹落ちしたので、やるからには徹底的にやろうと思いキャリアコンサルタントの勉強を始めました。そうしたらめちゃくちゃ面白くて。見事に人事の仕事にハマっていきました(笑)
―石井さんの思う、人事の仕事の面白さはどこにありますか?
石井:人の成長や変化に出会えることが本当に面白いです。人がwhyを見つけた瞬間や、ゴールを見つけてまっすぐに向かっている姿ってキラキラしているんですよね。そして、人が変化すると組織も変わっていきます。
自分の大事にしたいことが見つかったので、そこを軸にIT企業の人事として約8年間、採用業務から人材育成、キャリア相談室の設立などに携わりました。
―まさに、やりがいのある仕事に出会えたのですね。
石井:そうですね。そして、自分の大事なもの、やりたいことがみつかったからには、もっと成長したいという気持ちがまた強くなっていきました。
私には「夢を実現する人を増やす」という確固たる想いがあります。
夢を実現するために、その人がやりたいことや興味あることに対してやってみようと思えるよう私は支援をしたい。そのためには、やはり自分自身も夢をもって挑戦し続けていないとかっこ悪いなと。もっと多くの人の夢を実現できるように、さらに自分が成長したいという想いが強くなったのです。
ですので、やりがいのある仕事と環境があるけれども、ここで安定するのではなく、また別の場所で一からチャレンジしていく道を選ぼうと思いました。そう決断したときに、これまで人事領域でも採用と人材育成しか経験がなかったので、人事の仕事全体を理解したいと思い、ファンリーシュで学ぶことにしました。
ファンリーシュした瞬間
―常にチャレンジを続けている石井さん。そんな石井さんが、ファンリーシュした(解き放たれた)瞬間を教えてください!
石井:間違いなくファンリーシュでの学びが大きなきっかけになっています。ファンリーシュの学びというのは、経営のパートナーとなるための人事のスキルを学ぶだけでなく、why、つまりは学んだことを生かして「あなたは何をしたいのか」をとことん突き詰めて考えます。そこで、自分らしさを見つけられたときに、ファンリーシュしたなと感じます。
―石井さんが見つけた「自分らしさ」とは?
石井:人と対話をし、仲間を増やしていくこと。それは自分が好きなことであり、得意なことです。これは人事の仕事にも生かしていけることだと気がつきました。これまで、人事は経営のパートナーであり、組織変革をリードしていくためには何でもできる人でなくてはならないという思い込みがありました。でも、そうでなくていい。自分は人と対話をしながら、一緒に組織を作り上げていきたい。そして会社の業績につなげていく。
これこそ自分のコミュニケーションの強みを生かすことであり、人の夢の実現を支援することに繋がるんだと思ったのです。そこに軸足を置いて仕事に取り組んでいった結果、成果にも繋がっていきました。
―ファンリーシュの学びはスキル面だけでなく、まさにマインド面での変化も大きかったのですね。
石井:人事とはこうあるべきだ、という思い込みから解き放たれました。
周りをぐいぐい引っ張って組織変革をリードしていくのではなく、対話を通じて経営と社員を繋ぐというのが自分の強みを発揮できる領域。そこに気がつきました。
人と組織に変化を生み出すためには自分も仕事を楽しむこと、そして自身のwhyや感性を磨き続けることが大事だということも学びました。自分を信じて行動し続けることこそが、変化を生み出す原動力となると思っています。
武井さんの最終講義の中で、「知ることは感じることの半分も重要じゃない」という言葉がありました。私、この言葉が大好きで。何かモヤっとした時は、必ずこの言葉を思い出し、「自分は何のためにここにいるのか?」と立ち返るようにしています。
ファンリーシュアカデミアは学びと実践の繰り返しです。とことん自分に向き合うのは決して楽なことではありませんが、講師が講義中も終わった後もずっと伴走してくれる。夢の伴走支援の仕方のお手本をみせてもらった気がします。
これからの目標や夢
―では最後に、これからの目標や夢を教えてください!
石井:自分の人生のミッションや大事にしたいことを実現するために、私が学んできたキャリアカウンセリングが大きな力になるというのは、ファンリーシュでの学びと実践を積み重ねてきてより磨かれてきている気がします。ただ、whyとhowは手にしたけれど、whatの部分はまだふわっとしているんです。ここが見つかるともっと自分もワクワクするし、人生のミッションである「夢を実現する人を増やす」をドライブできるのではないかと思っています。
自分が命をかけてやり遂げたいwhatを見つけるために、今、大学院に通っています。これから先、自分が何をしたいのか見つける旅路の真っ只中なので、大学院が終わるまでに発見できたらと思っています。
見つかったwhatによっては、企業人事の仕事に留まる必要はないと思いますし、自分のこれまでの領域を超えてでもチャレンジしていきたいです。そして、夢を実現する人が増えるよう、エネルギーを一緒に作りだせる人でありたいと思います。
(取材・文=久保彬子)
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