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管理業務主任者があると、マンション管理士試験で有利なのか。

 私が管理業務主任者試験・マンション管理士試験に合格したときの経験から対策方法や勉強方法の記事を書いています。

 管理業務主任者があると、マンション管理士試験でどのくらい有利なのかみてみました。

管理業務主任者試験の出題は、おおよそ以下のとおりです。
民法 約8問
区分所有法 約8問
(複合問題もあるが合わせて約16問)
標準管理規約・契約書 約9問
会計・財務 3問
建築設備(それらの法令含む) 約12問
その他民事法令 5問
適正化法 5問

 民法は、意思表示、代理、時効、抵当権、債務不履行、保証、売買、賃貸借、委任、請負、不法行為、相続などが出題されており、テーマとしてはマンション管理士試験とおおむね重なります。 
 区分所有法や標準管理規約は、基礎から応用へという感じです。
 これらはマンション管理士試験の方が数倍難しいです。
 管理業務主任者試験では出題されている判例の穴埋め問題は、マンション管理士試験ではほとんど出ません。
 マンション管理士試験では、区分所有法の条文を細かく勉強しますが、「規約で別段の定め」ができるかという視点で勉強が必要になります。マンション管理士は、管理組合の独自の事情を反映した規約の作成をすることができるのでここはホントよく出題されます。
 また、標準管理委託契約書は、管理業務主任者試験では3〜4問出題されますが、マンション管理士試験ではほとんど出題されません。
 建築設備は、マンション管理士試験とは少し傾向が違います。管理業務主任者試験の方が問題文が多く実践的な感じです。マンション管理士試験は、問題文は短めだけどひねりがある感じです。

 管理業務主任者試験とマンション管理士試験の試験範囲は似ています。
 そのため、管理業務主任者試験対策として、マンション管理士試験の過去問を解くことは無駄ではありません。ただ、その逆はあまり得策ではありません。
 というのも、私が、マンション管理士試験の過去問を3周くらい回して、「もっと問題演習をしたい。マンション管理士試験を受ける人の約4割は管理業務主任試験者試験を合格しているわけだから解いてみて損はない」などと考えて、なぜか管理業務主任者試験の過去問を7年分ほど解きましたが、あまり有益ではなかったので。
 令和4年のマンション管理士試験でいえば、不動産登記法で、「表題部所有者が2人以上であるときはその持分が記録される」という知識がドンピシャで役にたったかなというくらいです。

 以下にまとめると、管理業務主任者とマンション管理士試験では、約38問分は出題が重なるので、管理業務主任者の既存知識(基礎知識)が活かせるかと思われます。

管業         マン管
民法約6問      →  6問
区分所有法約8問   → 10問
標準管理規約約6問  →  9問
標準管理委託契約書3問→規約に含めた
適正化法5問     →  5問
借地借家法1問    →民法に含めた
建築基準法2問    →  1問
建築設備約7問    → 10問
建替円滑化法1問   →  1問
不動産登記法1問   →  1問
会計・財務3問    →  2問
(補足)
建替円滑化法や不動産登記法は管業では出題がない年もあります。
マンション管理士試験の不動産登記法はかなり難しいので、知識が活きないことが多いです。
品確法、宅建業法、消費者契約法、個人情報保護法などは管業では出題がありますが、マン管では近時の出題はありません。
建築設備でも、地震、高圧受電設備などマン管では出題がほとんどない分野もあります。
会計は、仕分けはマン管では出題がなくなりつつあります。

 このように、約38問分は出題が重なり、5問免除もあるから大丈夫だろうとあなどらない方がよいです。
 マンション管理士試験は、管理業務主任者の5倍以上は合格しにくいです(個人的な感想)。
 おおよその体感ですが、
 マンション管理士試験の合格推定点の2点下くらいの時点で、管理業務主任者試験の年度別過去問を7年分くらい解きましたが(個数問題が13個あった年であろうが)すべて余裕をもって合格点は取れています。5点下くらいでも管理業務主任者試験に合格することはできるレベルになります。マンション管理士試験の難しさや実力把握の目安に参考になさってください。
 ちなみに、私は、結局、5問免除がほしかったので、1年目にマンション管理士試験を受けないで、(前述の通りどちらの過去問も解いていたので)管理業務主任者試験を受けることにして、1か月くらいの勉強で合格しました。一応、法律屋さんのハシクレで、民法のインプットが省けていたところもあったとは思います。他資格の口述試験と管理業務主任者試験の連チャンで時間がなくてキツかった記憶はあります。

 私独自の分析を書いていますので、参考いただき、受験される方は、がんばってください。

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