「粗利」の概念を理解できると、英文会計が頭にすーっと入ってきます
こんにちは!長年、海外に住み、日本に帰国後、会計✖英語を教えている、帰国子女のスグリンガルです。
今日は、「売上総利益」の概念をお話したいと思います。
巷でよく言われる「粗利」というやつです。
とよく聞かれます。
私も、そう思います。
会計の世界は、ありとあらゆる略語だらけです。
カネの話になると、みんな切羽詰まるんです。
だって、みんなカネは暮らしていくのに必要ですからね。
カネなくては、暮らしてはいけない。
だから、カネに関係することわざが多いのも納得できるでしょ?
↑この英語表現はなに?を説明すると長くなるので、また次回。
「売上総利益」という考えは、簡単に言うと、「仕入れたモノのコストよりどれだけ高い金額で売れたか?」を見ます。
80円で仕入れて、100円で売ったら、20円が売上総利益になるわけです。
モノの最初のコストより高い値段で売るっていうのは、ある意味すごいスキルです。
消費者である私たちは、その100円の品物を買う代わりに、80円で売っていた元の業者から直接買う、そんな仲介業者をスキップする仕組みが最近は非常に多いからです。
だから、メルカリで安いものを買って、高くで売るっていう『転売ビジネス』が一時流行りましたが、脱落する人が多いでしょ?それだけ難しいんです、ビジネスは。
Amazonで販売しなくなったナイキの話もニュースになりました:
直接自分たちで売ることができれば、消費者も販売者もWin-Win。
仲介業者にとっては、たまったものではないですが・・・
この売上総利益が分かると、その企業を取り巻くビジネス環境がよく分かるようになります。
例えば:
ファミリーマートの売上総利益率は88%。
仕入れるものがほとんどないためです。(仕入れている商品のほとんどは、フランチャイズ店がほとんどやってくれるため、ファミリーマート本社自体の仕入れはほとんどありません。)
なのに、清水建設の売上総利益率は13%!
建設資材にお金がかかるためですね。
だから、同じ大企業といえども、売上総利益率は企業によって全然違うんです。
その業界ごとで見たり、年々改善されているか、そういった比較をしないといけない、ということですね。
冒頭で、「売上総利益=Gross (profit) margin」とお話しましたが、
この「margin(マージン)」が「利ザヤ」です。つまり、懐に残る儲けですね。この単語は、ラテン語の"margo"(=端っこ、余白)からきています。
昔は、紙に文字を印刷するのに、デカい印刷機にデカい文字ブロックをはめ込んで使っていました。そのブロックで紙に文字を印字するときに紙の端とブロックがどれくらいの余白があるか?それを表す言葉が「マージン」だったのです。
やがて、この「余白」は「余裕、スペース、快適に過ごすために拡大されたなにか」を意味するようになりました。言葉というのは、実に面白い変化をします。この「快適に過ごすために拡大されたなにか」が、やがて、「利ザヤ」「費用を差し引いて残った儲け」という意味になったのですから。
そのため、すべての「費用を差し引いた残り」は「Margin」という英語に集約されます。日本語でいうところの「利益」です。
これが、典型的な損益計算書です。
ね、なにか費用をマイナスした後の利益は、必ず「マージン」でしょ?
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