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【仕事】悪女の代名詞の妖怪

こんにちは、イラストレーターのfunenoです。

株式会社愛言社様の語学雑誌『聴く中国語』にて『西遊記』扉絵を連載中です。

今月は悪女の代名詞としても使われる妖怪、白骨精(白骨夫人)との闘いを描いています。


『聴く中国語』2024/5号


白骨精はキョンシーの類のようなのですが、解屍法という術が使える。これは魂だけ抜け出して逃げられるスキルみたいです。

西遊記あるあるなんですけど、出てくる妖怪はだいたい三蔵の肉を食べたがるんですよね。で、白骨精も同じことを考える。

白骨精はまず18歳くらいの女子に化けて、三蔵にご飯を渡しに現れるんですけど、悟空は妖怪だと見抜けるので、打ち倒します。白骨精は解屍法のスキルで魂だけ逃げ出し、偽の死体を残して去っていく。

三蔵はビビります。悟っていない凡胎の彼には、悟空が突然、人間を打ち倒したようにしか見えないからです。

そういうわけで三蔵は悟空をめっちゃ叱責する。頭にはまった箍をギリギリ締め付ける呪文を唱えるので、悟空の頭は瓢箪のようにくびれ、不憫。

しかし何とか言葉を尽くして三蔵に機嫌を直してもらう。

さらに道を行くと、次に老婆が現れる。

これも白骨精が化けたもので、同じことが起こる。

また三蔵が怒って悟空を叱責するんですけど、これも何とか機嫌を直してもらって事なきを得る。

三蔵は敬虔な仏僧なのに、弟子が娘と老婆、2人も撲殺している(ように見える)事実を許してしまうん? と、ちょっと思ったりしなくもない。人が死ぬなどということはよく起きる、そういう時代だったんでしょうか。

最後に爺さんが出てきて、娘と妻を返せ、って怒って詰め寄ってくる。もちろんこれも白骨精。白骨精は性悪というよりはガッツがある。そんなに仏僧の肉っていうのは魅力的な食べ物なんだろうか。

悟空は、これ以上やると三蔵に激おこされるとわかっているけど、白骨精をそのままにしておくと三蔵が食われてしまうので、三蔵のために結局、爺さん(に化けた白骨精)を打ち倒す。これで白骨精は退治された。

でも、短期間に3人もの命を奪ったように見える状態になった悟空は、とうとう三蔵に破門されてしまう(八戒がそそのかした)。

八戒が悟空に対して悪意を持っているのは、白骨精が娘に化けて持ってきたごはんを食べ損ねたからです。食べ物の恨みなので恐ろしいです。

破門状を突き付けられた悟空は、泣きながら故郷の山に帰ります。

今月の悟空は、無茶ぶり上司(三蔵)のせいで、かなりかわいそうな展開です。

悟っていないちょっとアレな三蔵に仕えさせられること自体が、悟空が500年前に天界でいろいろやらかしたことの贖罪なのかもしれない。

なお白骨精との闘いはよく映像化されるテーマらしくて、白い服の美女が演じている場合が多いです。

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・今月号の聴く中国語(5月号)は、上海にフォーカス。ネコちゃん記事の連載も先月号から始まってます。白骨精と戦い中の西遊記もよろしくどうぞ↓




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