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海外クルーズ船勤務に必要なメディカルチェックは日本でできるの?金額は?

海外のクルーズ船に採用されると以下の書類が乗船のために必要となります。

・Medical Certificate for Ship Duty(通称メディカル。以下メディカル)

・STCWの資格(クルーとしてクルーズ船で働くための資格)

・Seaman's book(シーマンズブック、船員手帳、日本のそれとは別物)

・必要に応じたビザ(アメリカのC1/Dを取れというところが多いです。)

援助してくれることもあれば、全て自分で手配し、自己負担の場合もあります。日本でできるとはいえ、メディカルも日本すると、かなり時間がかかります。

以前の会社に勤めたときは会社からの援助があり、全ての工程をフィリピンでしました(それはそれで大変でした)。もちろんメディカルも会社が手配してくれた専用の病院だったので、検査の条件も満たしていて、結果もすぐ英語で受け取ることもでき、さらに金額も高くありませんでした。

(因みに、フィリピンはクルーズ船で出稼ぎすることが国家の一産業として成り立っているので、それに関する関係機関や法律、制度などがしっかりあります。)

しかし、今回私は全て自分で手配しなければならず、加えて前回の会社では必要なかった黄熱病と破傷風の予防接種しないといけなかったので、相当苦戦しました。(必要な予防接種の種類は会社によってことなります。)

メディカルの証明書とは

クルーとして乗船するには健康診断を受け、Medical Certificate for ship duty(通称メディカル)で。”Fit for Sea Duty”いわゆる”勤務可能”という医者の許可が必要です。基準は会社によって若干異なります。基本的に2年更新の場合が多いです。

私は前年にフィリピンで取得したものの有効期限が残っていたのですが、今度の会社はその会社専用フォームじゃないと認めないとのことだったので、取得し直さなければいけませんでした。

病院探し

病院探し国外にはこのメディカルを取得する専用のクリニックやメディカルセンターがありますが、日本にはそういった機関や施設はないの、日本国内で必要書類を集めるのであれば、まず

・英文診断書発行可能
・フォーム記載に内容のチェックを全てできる

という条件を満たす病院を探さなければなりません。

英文診断書発行可能な病院を調べ問い合わせまくりました。
まず、日本(しかも田舎)だと、英文の診断書を発行してくれるところ、且つ検査内容を全て実施できる病院があまりないんです。

電話する→事情を話す→フォームを送って確認してもらう
という作業を何回もしました。
7,8つ問合せ、半分は「ウチではちょっと無理です」と断られました。

最終的に運良くいい病院が見つかり、問い合わせた中で一番近く(それでも車で1時間ちょっとかかる)の大学病院でお世話になることにしました。

検査費用は?


金額は病院で異なります。検査できるという病院でも、金額が高いところもありました。メディカルチェックになったお金は一部会社から補助が出るしてくれるとはいえ、立て替えるにしても高すぎる病院もありました。
(補助があるかどうかは会社によって異なります。)

最終的にかかった費用は以下の通りです。

健康診断16800円+英文診断書5400円=合計2200円

メディカルにかかった時間

病院を探すのに3、4日かかりました。。。
運よく病院が見つかると幸い予約はすぐ取れました。検査自体は2時間かからないくらいですぐ終わりましたが、結果が出るのに2週間前後でかかりました。

書類の不備という落とし穴があることを忘れるな

やっと結果をもらい、提出するも、

やっとメディカルの結果を受け取り、提出したら、2日後くらいに不備があると返信がありました。こんなに待ったのにまだOKサインでないのか(TT)という気持ちでした。

不足書類と記入漏れ、英語に訳されていない部分があるという内容の不備で、担当医師に相談して不備の訂正や追加の書類を作成してもらい再提出。

すると1週間くらい待たされました。。。

こちらから催促すると、まだ不備があると返信が来ました。
またーーー?(TT)

今回の不備の内容としては、検査が足りていない、というものでしたが、
担当医師に再度相談すると先方が見逃しているだけとのこと、ハイライトと解説を作成してもらい再提出しました。

3度目の正直で、やっと「メディカルの証明書承認しました」というメールが返ってきました。検査を受けてから承認まで結局1か月以上かかりました。 

何が言いたいかというと、初めて日本でメディカルするなら書類がの不備を訂正しなければならない可能性が多いにあるから、時間は1か月くらい見といた方がいいということです。

それから、検査を担当して下さった先生はとてもいい人で、こんな面倒臭い検査を嫌な顔せずに快く引き受けてくださり、お願いした添付書類もすぐ作成してくださって、本当に感謝してます。日本でMedical Certificate for ship duty のメディカルを受けるなら、担当医師に相談すると意外になんとかなることも多いということです。

予防接種

また、メディカルテストの前後で破傷風黄熱病の予防接種も受けました。
破傷風は比較的どこの病院でも受けられますが、黄熱病は検疫所でしか受けられないかつ予約が必要です。しかも場所によっては1か月に一回しか行っていないのです。

私が住んでいるところは1か月に一回しか行っておらず、わざわざ車で2、3時間かけて、別の都市(ここは週1で実施)まで受けに行きました。

余談ですが、黄熱病の予防接種の副作用として、30%くらいの人に熱(風のような症状)が出るというのがあるようですが、私はしっかり30%に入ってしまい、翌日発熱し、すごくしんどかったです。
黄熱病の予防接種受けるなら翌日は何も入れないことをお勧めします。(笑)

メディカルにかかった総費用


ちなみにメディカル関連にかかった総費用ですが

健康診断16800円
英文診断書5400円
破傷風予防接種4000円
黄熱病予防接種11000円(くらい)

合計約37200円でした。

因みにビザと犯罪経歴証明書に掛かった費用をを足すと。。。
必要書類にかかった費用は交通費まであわせるとだいたい合計6万円くらいかかりました。

ただし、会社によっては、乗船後ビザやメディカルのお金の返金があったりするので、担当者に確認することをお勧めします。因みに私の場合は、アメリカのC1/Dビザ取得費用と検査と診断書費用の22000円の払い戻しがありました。

正直メディカルの書類集めは疲れました。受かったけど本当に乗れるのかな私。という気持ちとの戦いでした。お金も時間も体力も精神力も使うのが必要書類集めです。外資のクルーズ船クルーになるには忍耐力精神の強さが必要だと実感しました。

メディカルの書類を提出すると、「次はSeaman's bookの写しを送ってください」というメールが届きました。

Seaman's book 何それおいしーの?と思った方は以下はてなブログより読んでいただけます。↓

http://racheal-grolia.hatenablog.com/entry/2018/03/17/223905?_ga=2.187804072.1047610065.1581391454-589378661.1580260319


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