見出し画像

【マッチレビュー】Bリーグ 23-24 B1第17節 GAME1 群馬vs宇都宮


ロスター

群馬クレインサンダーズ


宇都宮ブレックス

※ボックススコアを参照ください。

スタメン

群馬クレインサンダーズ

宇都宮ブレックス

試合結果とボックススコア

1Q 群馬20-27宇都宮

2Q 群馬35-53宇都宮 (群馬15-26宇都宮)

3Q 群馬60-74宇都宮 (群馬25-21宇都宮)

4Q 群馬81-93宇都宮 (群馬21-19宇都宮)

試合展開

群馬は辻のコーナースリーとジャンプシュートでゲームがスタート。宇都宮はフォトゥの3ptで返す。宇都宮のポゼッションにおいては、ニュービルに対しフリッピン、比江島に対しジョーンズor辻がマークに付き、マンツーマンで宇都宮の誇るハンドラーコンビに対処する群馬。対する宇都宮も、遠藤が積極的にハンドラーへハイプレスをかけながら群馬のポゼッションに対応。両チーム共にディフェンスから我慢する立ち上がりとなる。

セカンドユニットにおいてはトップオブザキーの鵤と、ウイングの位置からスタートするニュービルを軸に、キックアウトからオフェンスを展開する宇都宮は竹内、ジェレット、フォトゥが順調に3ptを沈めてリードを奪う。群馬はペイントエリアでのベンティルの1on1、アウトサイドから辻、並里の3ptで宇都宮を追いかける展開に。

宇都宮7点リードで入った2Q。ターズースキー、ベンティルの2ビッグ編成を敷く群馬に対しジェレット、フォトゥを中心にゾーンを敷くことで対処する宇都宮は、オフェンスにおいては比江島の1on1を軸に中と外から得点を重ねることでポゼッションを生かしきる。タイムアウトを挟み、群馬もローポストでターズースキー、パーカーが粘りながら、ペネトレイトと3ptで活路を開いたフリッピンがオフェンスを動かすも、ハーフコートオフェンスの精度に勝る宇都宮はジェレット、鵤、ニュービルが次々にリムアタックして群馬を突き放すことに。

オフィシャルタイムアウト明けも手を緩めない宇都宮は、ニュービルが自らドライブを仕掛けながら、オンボールスクリーンにおいては3ptを沈めるなどアクセル全開でオフェンスを牽引。2Q終盤は、フリッピン、辻、ジョーンズの得点で試合のテンポを群馬が上げるも、宇都宮は落ち着いてセットオフェンスを構築し、フォトゥのプットバック、比江島の3ptで仕上げるなど終始主導権は渡さず。宇都宮の18点リードで試合を折り返す。

両チーム共にスタメンに戻した3Q。互いにオーソドックスなマンツーマンディフェンスを敷きながら、引き続き宇都宮がリードする展開。群馬のターンオーバーから比江島とニュービルがファストブレークを仕掛けるなど、速い展開をものにした宇都宮が、引き続き試合の主導権を握る。対する群馬は、セットオフェンスにおいては外角のパススピードを上げながら隙を作り、ターズースキーのリムアタックで反撃するも、ニュービルのペネトレイトと鵤のコーナースリー、高島の3ptでセットオフェンスを完結する宇都宮が、地力の高さを見せつけることに。

3Q後半、群馬は要所でオフェンスリバウンドからパーカーがシュートを押し込むと、ペネトレイトを仕掛けるジョーンズがバスケットカウントを決めるなど、ややオフェンスを持ち直す。宇都宮は比江島、ニュービルが積極的にリムにアタックすることで停滞したオフェンスを繋ぎながら、14点のリードを保って4Qへ。

4Qは入りからお互い高いディフェンス強度を保ちつつ、タフなシュートを決め合う展開。タイトなディフェンスをかいくぐりながらペネトレイトを決める比江島、3ptを沈めるニュービル、遠藤が引き続き宇都宮のオフェンスを牽引し、自分たちのペースで試合を進めることになる。群馬は辻が4点プレー、3ptを決めるなど随所で突破口は作るも、大量リードを固めた宇都宮は慌てずにセットオフェンスを構築し、流れは群馬に渡さない。

群馬は終盤に辻、フリッピン、ターズースキーが連続得点を叩き込み意地を見せるが、前半の大量ビハインドを跳ね返すには至らず。北関東ダービーはアウェイの宇都宮が勝利。群馬はホームで連敗を喫することになった。

雑感

宇都宮がFGや3FG、リバウンドなど多くの主要スタッツで群馬をリードし、地力の差を見せつけることに。群馬も6本の3ptを沈め23得点を叩き出した辻を筆頭に、3FGは35.7%(10/28)と決して悪くはなかったものの、2FGは42.6%(20/47)と、ペイントを固めた宇都宮ディフェンスの攻略には手を焼いた印象だ。

ファストブレークポイントに目を向けると、群馬20-4宇都宮という数字で、速い展開での得点は群馬が上回ることに。裏を返せば、ハーフコートでのセットオフェンスの精度には両チーム間で差があり、ここでのアドバンテージを確実にモノにした宇都宮が終始主導権を掌握。2FGは61.3%(19/31)、3FGは45.5%(15/33)と、速い展開に頼らずともハーフコートオフェンスのみで十分なリードを奪える程に、攻守における宇都宮の完成度の高さが垣間見えた試合となった。

セットオフェンスの精度においては宇都宮に後塵を拝してしまった群馬ではあるが、ファストブレークと辻の3ptにやや編重しつつも、宇都宮ディフェンスをかいくぐりながら81点を決めたことは一つ収穫ではある。しかしながら、ディフェンスにおけるヘルプ&リカバーについては、特に2Qの宇都宮のポゼッションにおいて後手に回っていたように見受けられる。

宇都宮の完成度が高いことは言うまでもないが、CSを目指す上で対戦相手のハーフコートオフェンスのリズムを狂わせるディフェンス力を備えることは、重要なファクターとなるのではないか。ディフェンスの連動性の面で安定感が出てこなければ、継続的に勝利を積み上げることは難しい。試合の最後まで集中を切らさず、得点を積み上げたことはポジティブと言える分、追い上げが可能な点差で耐える力をつけることがまずは求められると、強く感じた試合でもあった。

これで17敗目ということで、CS出場へ向けては依然、厳しい戦いが続く群馬クレインサンダーズ。チームの練度や地力は一朝一夕では上げることは出来ない。我慢と忍耐を忘れず、諦めない気持ちを持ち、チーム目標への挑戦を続けて欲しいと思う。

この記事が参加している募集

Bリーグ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?