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【マッチレビュー】FIBAアジアカップ 2025予選 Window1 2024 2/25 日本 vs 中国

スターター

・日本

・中国
※ボックススコアを参照ください

試合結果とボックススコア

1Q 日本 19-20 中国

2Q 日本 38-38 中国(日本 19-18 中国)

3Q 日本 55-51 中国(日本 17-13 中国)

4Q 日本 76-73 中国(日本 21-22 中国)

中国の中と日本の外

中国はHu Jingiu(21番)がペイントエリアでの連続得点で先制。日本は馬場がコーナースリーを決めるが、中国は保持局面に時間をかけない速い展開からCui Yongxi(19番)が3ptを決めれば、Zhao Jiwei(4番)がペネトレイトからのタフショットを沈めるなど、序盤は高さに勝る中国が自らのリズムで主導権を握ることになる。

日本はホーキンソンがオフェンスリバウンドからバスケットカウントを叩き込むと、ディフェンスはストレートマンツーマン気味にシンプルに守ること中国の速い展開に対応し、流れを止めに行く。ポゼッションにおいては井上がトップオブザキー、右コーナーから連続で3ptを沈めて同点とするなど外から攻める日本に対し、中国はあくまでもペイント付近からのオフェンスを徹底。Yang Hansen(20番) 、Abudurexiti Abudushalamu(23番)のエルボージャンパー、ローポストアタックでアドバンテージの取れる局地戦を選択しながら1Qを先行。アウトサイドでの攻撃を徹底する日本も、終盤は富樫のプルアップ3ptで食らいつき、1Qを中国1点リードで終える。

2Qはファストブレークから中国が先制。日本は馬場が3ptを決めるが、中国はHu Mingxuan(3番)がすぐに3ptを決め返すと、このクォーターにおいても立ち上がりは中国がペースを握る。ユニットを絶え間なく変えていく日本は、テーブスのお膳立てからホーキンソンがボスハンドダンクを決めると、河村もプルアップジャンパーで加点し、1~2ポゼッション差の中で粘る展開に。

2Qではアウトサイドからも積極性を見せた中国は、Du Runwang(18番)が3ptを決めるが、日本はこのクォーターでインパクトある活躍を見せるテーブスがタフな3ptとフリースローを連続で決め、逆転に成功する。富樫のキックアウトから馬場が3ptを決めるなど日本が前に出るが、中国はHu Mingxuan(3番)がペネトレイトから連続で得点するなど互角の展開となり、同点で試合を折り返すことになる。

DFで収縮した中国とブリッツを仕掛けた日本

3Qは開始からお互いに2分以上得点が止まる固い立ち上がりに。日本は比江島のアタックで均衡を破るが、直後に吉井が4ファールを喫することになる。一方で、同じくオフェンスが停滞した中国は、Hu Jingiu(21番)のプットバックで後半初の得点を記録。日本は馬場、比江島のアタック、中国はプットバックやHu Jingiu(21番)のゴール下など、両チーム共にペイントでの得点を応酬する展開となる。

前半はアウトサイド起点だった日本のオフェンスが、3Qに入りインサイドでのアタックが増加したことからか、ややディフェンスが収縮した中国に対し、日本はホーキンソンが3ptのファールドローを得るなど再びアウトサイドシュートを狙いにいく。逆に中国の保持局面においては、日本は積極的なブリッツ(ダブルチーム)を高い位置から仕掛けることで中国のオフェンスの流れを止めると、直後には富樫が3ptを決め3ポゼッションのリードを得るなど、積極的なディフェンスでクロスゲームから前に抜け出すことに。中国はHu Mingxuan(3番)のバスケットカウントで食らいつき、日本の4点リードで最終クォーターへ。

原点に立ち返る

4クォーターはDu Runwang(18番)の得点で中国が先制。日本は馬場、ホーキンソンが立て続けにリムアタックからタフショットを沈めるなど、積極的なインサイドへの攻めは継続することになる。中国はHu Jingiu(21番)3ptを決めるが、流れを渡さない日本は馬場がファールドローからのフリースローを3本決めリードをキープ。中国はDu Runwang(18番)が、日本は河村が3ptを打ち合いながら、2ポゼッションの差は変わらず。

高い位置からプレスをかける日本に対し、中国は落ち着いてフロントコートへキャリーすると、Hu Jingiu(21番)がエルボーから、Hu Mingxuan(3番)がペネトレイトで得点を決める。だがオフェンスのペースを落とさない日本は、河村が3ptを決めて2ポゼッション差を死守。徹底してオフェンスリバウンドを回収するHu Jingiu(21番)が中国のセカンドポイントを上積みすれば、Hu Mingxuan(3番)が巧みなハンドリングからバスケットカウントをもぎ取るなど、この二人を軸としたオフェンスで日本を1ポゼッション差まで猛追していく。

中国のリムアタックに対してはファールも辞さない激しいディフェンスを見せる日本は、フリースロー後のディフェンスリバウンドを押さえると、河村が自ら持ち込んでレイアップを決めるなど、ディフェンス強度を基軸に1ポゼッション差の中で粘りを見せる。残り1分の局面において、ハーフライン付近でダブルチームを仕掛けた比江島とホーキンソンがボールを奪回すると、カウンターからホーキンソンがボスハンドダンクを決めて日本が5点差に。直後の中国のポゼッションにおいては、ショットクロックバイオレーションへ追い込むなど、日本の徹底したマンツーマンディフェンスが功を奏す形となる。

中国はCheng Shuaipeng(6番)がタフな3ptを決め最後まで追い上げを見せるが、残り時間を日本がクローズ。日本が主要大会において88年ぶりとなる中国からの勝利を収めることとなった。

雑感

3Qでインサイドへの進入してきた日本のオフェンスに対し、やや収縮してしまった中国。一方で、中国に対して高い位置から積極的なディフェンスを見せた日本が主導権を奪い取り、そのリードをコントロールする運びとなった。

リバウンドでは日本33-44中国と、12本のリバウンドを奪取したHu Jingiu(21番)を筆頭に制空権は保持した中国であったが、3Qの日本のインサイドアタックに対しては後手となり、収縮したディフェンスを外から打ち抜かれることに。

日本としてのターニングポイントは前述の通り3Qとなるが、オフェンスを牽引したのは馬場。両チーム最多となる24得点、3FG:66.67%(4/6)というスタッツを叩き出し、"中でも外でも馬場雄大"を体現した馬場のオフェンス力が中国のディフェンスを収縮させ、アウトサイドシュートで勝つ日本の勝ちパターンに乗せられたことが、大きな勝因となったのではないだろうか。

チームとしての3FGは34.38%(11/32)と4割には届かなかったものの、グアム戦からの修正を見せ、中国の27.59%(8/29)を上回ることに。馬場をエンジンとして日本が打ったインサイドアタックの布石は、原点に立ち返る得点効率の高さとして還元され、見事な結果に繋げることが出来たと言えるだろう。

主要大会では88年ぶりとなる中国からの勝利を収めた男子バスケットボール日本代表AkatsukiJapan。パリ五輪へ向けた更なるレベルアップに期待したいと思う。

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