【マッチレビュー】日本生命カップ2024(北海道大会)第2戦 2024 6/23 日本 vs オーストラリア
GAME1のマッチレビュー
スタメン
・日本
・オーストラリア
試合結果とボックススコア
1Q 日本 29-23 オーストラリア
2Q 日本 49-49 オーストラリア(日本 20-26 オーストラリア)
3Q 日本 69-72 オーストラリア(日本 20-23 オーストラリア)
4Q 日本 95-95 オーストラリア(日本 26-23 オーストラリア)
試合展開
スタメンを全員入れ替えたオーストラリアに対し、日本は井上、富永を起用すると、立ち上がりからハイペースな点の取り合いに。オーストラリアはスミス、日本は富永を中心として、3ptの応酬を見せる。セカンドユニットからは富樫がペネトレイトによりペイントエリアをこじ開けながら、川真田もボスハンドダンクを叩き込むなど、PGがリズムを作り、オフェンスのペースを落とさない日本がリードを奪って2Qへ。
2Q開始から佐々木がペネトレイトを仕掛けた日本は、河村も3ptで加点して引き続きリード。オーストラリアはジカースキー、コンドンの2メンゲームで対抗しながら粘る展開。ハーフコートにおいては、インサイドでの支配力を増すホーキンソンを中心にオフェンスを組み立てながら、ファストブレークでは吉井がコーストトゥコーストのダブルクラッチを決めるなど、日本がハイペースに得点を重ねていく。2Q後半からは、ヘンショール、ペッパーの3ptなど外角から猛追したオーストラリアが、ディフェンスにおいてはフルコートプレスを仕掛けると、これが功を奏しリードチェンジに成功。粘る日本も2Q終盤、井上の3pt、ホーキンソンのフローターにより同点として折り返す。
後半も開始から得点の応酬となり、日本は河村、オーストラリアはヘンショール、トゥーイーが3ptを打ち合うと、今度は馬場、河村がペネトレイトでペイントを突き、コンドンがフックでやり返すなど、イン-アウト両面においてお互いがハイペースに得点する展開となる。日本はハーフコートでは、河村、比江島をハンドラーとしながらのPnR、PnPでオフェンス展開。1ポゼッション内でのリードチェンジを繰り返しながら、前に出たオーストラリアが3点をリードして4Qへ。
4Qは、開始から富樫の3ptで追いついた日本が、馬場のカウンターからのランニングダンク、富永のディープスリーでリードチェンジに成功。富永は1on1からのバンクシュート、さらにはタフなステップバックスリーを沈めるなど、4Qのオフェンスを牽引。PG以外のメンバーを固定(富樫→河村、富永、馬場、吉井、ホーキンソン)し勝ちに来る日本に対し、焦らないオーストラリアは、トゥーイーがコーナースリー、スティールからのワンハンドダンクで連続得点で勢いをつけると、ペッパーの3ptでリードチェンジに成功する。
オフェンスのミスが続いた日本は、富永→比江島の変更を加える。タイムアウト明けには、河村のペネトレイトで仕切り直しを図るが、インサイドにおいてフローリング、コンドンのコンビでアドバンテージをとりながら、ウイングからはペッパーが3ptを射抜いたオーストラリアがリードを譲らない。
残り1分半で、フル2ポゼッションのビハインドを背負った日本。オフェンスにおいて4out1in、もしくは5outを基調として広くコートを使いながら、ペイントエリアにスペースを作り、河村のペネトレイトでインサイドを突く狙いを見せる。オーストラリアのディフェンスが中へ収縮すると、今度はステップバックスリーを沈めるなど、最終盤で気を吐いた河村のハイパフォーマンスにより、残り18秒の局面で日本が同点に追いつくことに成功。
ターンオーバーの応酬となりながら、オーストラリアは残り0.4秒でフローリングがフリースローを得るも生かしきれず、試合は同点のまま引き分けという結果となった。
雑感
ターニングポイントとなったのは2Q後半。残り4分を切り、ヘンショール、ペッパーが次々と3ptを沈めることに成功したオーストラリア。外角のシュート精度の高さに加え、その直後にオーストラリアが見せたフルコートプレスへの切り替えが功を奏することに。
2m強のサイズのあるトゥーイーが最前線からプレスをかけ、同じく2m強のボウエンが2線でディナイを仕掛けるなど、サイズの無い日本のバックコート陣に対しウイングスパンの差で圧倒。日本のターンオーバーを誘い、見後なリードチェンジを果たしている。
試合を通したターンオーバー数の比較としては、日本16-10オーストラリアとなり、試合を通してオーストラリアのサイズを生かしたディフェンスには苦しむことに。一方、日本のディフェンス局面においては、オーストラリアが3ptを44.8%(13/29)という高確率で沈める展開となり、日本にとってはサイズ差がある中での、フロントコートへのキャリー、被3ptという課題が浮き彫りとなったように思える。
この試合における4Qでのメンバーチェンジは最小限。ホーキンソン、馬場、河村をクロージングに残したように、セレクション色を薄め、勝ちに行った中での同点、ドローという結果には率直に厳しい面もあり、オリンピック本戦へ向けては、上記の課題に対するクリティカルなアプローチが必要となるのではないだろうか。
セレクションという面においては、GAME1とは選手を入れ替えながら、佐々木、ジェイコブスら新戦力が少ないプレータイムの中で一定のインパクトを残すなど、ホーバスHCの判断材料とするための試行としては、積み上げもあった試合。
チームとしての課題解決と、メンバーのセレクション。異なる目的を同時に追いかけながら、本戦へ向けて代表チームのさらなるレベルアップに期待したいと思う。
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