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【マッチレビュー】FIBAアジアカップ 2025予選 Window1 2024 2/22 日本 vs グアム


スターター

・日本

・グアム
 ※ボックススコアを参照ください。

試合結果とボックススコア

1Q 日本 17-12 グアム

2Q 日本 35-36 グアム(日本 18-24 グアム)

3Q 日本 55-44 グアム(日本 20-8 グアム)

4Q 日本 77-56 グアム(日本 22-12 グアム)

試合展開

日本は帰化後初めての選出となったハレルソンと川真田の2ビッグを擁するスタメンで臨む。両チームとも固い入りを見せる中、日本は河村のフリースローで先制すると、ハレルソンが連続3ptを決める活躍を見せ、主導権を握る。グアムはヘチャノバ、ウェスレイのカットインに加え、クルズがファストブレークを決めるなど、ペイントエリアから確実に2ptを積み上げていく。

インサイドから攻めるグアムに対し、2ビッグを中心にペイントを固めた日本。一方、日本の外角に対しては、ファイトオーバーで守るノースリーディフェンスを見せたグアムが守り合う展開。セカンドユニットにおいては、左サイドでのアイソレーションをセットの1つに据えた日本のハーフコートオフェンスが機能。今村がバスケットカウントを決めれば、ハレルソンが3本目の3pt、須田もコーナースリーを沈めるなど、スローテンポな展開から日本が一歩抜け出すことになる。

日本が5点のリードで入った2Q、代表デビューとなる18歳の川島をコートに送り出す。ペイントを攻めるグアムと、外角から3ptを狙う日本の構図は1Qと大きくは変わらないが、日本はテーブスがリムアタックからのタフショットを決めると、グアムは豊田合成スコーピオンズ(B3)所属のロスが3ptを沈めるなど、両チーム共にオフェンスのバリエーションは増やしながら、試行錯誤を重ねていく。グアムがファストブレークと3ptで2点差まで迫るも、日本は比江島、河村がカットインからの得点を立て続けに決め、リードチェンジは許さず。

2Q後半は、3ptの確率が思うように伸びない日本がロングツーを打たされる展開に。グアムは保持局面においてセカンドチャンスを拾いながら、信州ブレイブウォリアーズ(B1)所属のサイモンが3ptを射抜くなどオフェンスのリズムを掴み、リードチェンジに成功する。日本は川真田のインサイドからの得点で粘ると、前半終了直前には河村がブザービーターとなる3ptを沈め、グアムが1点をリードして前半を折り返すことになる。

後半も、両チーム共に決め手を欠きながら重い立ち上がりに。2分を経過した場面で、1on1からクルズが仕掛けると、バスケットカウントを決めてグアムが先制。日本のアウトサイドシュートの確率が一向に上がらないことから、グアムのディフェンスがペイントとペリメーターに収縮したことでオープンシチュエーションとなった比江島が3ptを決めて、ようやく日本が後半初めてスコアを動かすことに。

ロースコアの展開の中、富樫のアシストで川島がゴール下シュートを決めて代表初得点を記録すると、グアムのポゼッションにおいては、ハーフコートの高い位置からプレスを仕掛けた日本のディフェンスが機能。ディフェンスから流れを作った日本は、川島がリムアタックからの得点を決めて再びリードすることになる。川島、ハレルソンが身体を張るインサイド陣に加え、今村の決定機を演出し、自らもバスケットカウントを叩き込む河村らバックコート陣の機動力が噛み合い、オフェンスの良いリズムを作り始めた日本がリードを11点に広げて4Qへ。

4Qはロスのフリースローでグアムが先制するが、またしても試合はロースコアの重さを感じさせる流れに。日本はオフコートでも息の合う比江島のパスを受けた川真田が、果敢なリムアタックを仕掛けて得たフリースローを決めると、河村と2ガードを組んだテーブスが自らのキックアウトを起点とした外角のパス回しをコーナースリーで締めて、グアムにリードを縮めさせず。グアムはロスのアタックで返すが、アウトサイドシュートの確率が上がらず苦しい展開となる。

4Q後半へオフェンスの流れを継続する日本は、スペインピックを起点にハレルソンがレイアップを決めると、井上もコーナースリーを沈めるなど、セーフティリードをキープ。クルズ、ロス、サイモンがリムアタックやミドルシュートで追いすがるグアムが意地を見せるものの、ハレルソンを下げる余裕を見せた日本は井上の3pt、比江島のバンクシュート、富樫の3ptで危なげなくゲームクローズ。Window1の初戦は日本が勝利することとなった。

雑感

2Qの停滞などで前半からビハインドを背負った日本。後半のゲームチェンジャーとなったのは、この試合で代表デビューを飾った川島と、不動の司令塔である河村のコンビである。

13分56秒のプレータイムの中、6得点3リバウンド2アシスト1ブロックという堂々たるスタッツでデビューに華を添えた川島が、オフェンスリバウンドに果敢に飛び込むハッスルプレーで日本に流れを引き寄せると、1on1での圧倒的なスピードを武器にアウトナンバーを作り出した河村がオフェンスの核となり、3Qで20-8と日本がグアムを圧倒。このクォーターでの差が決定機となった印象だ。

敗れたグアムは、スローペースの前半においては、ペイントエリアで上手く対処してゲームをコントロール。クルス、ロス、ウェスレイがそれぞれ12得点、14得点、12得点を記録し、この3枚を中心にバランス良くチーム得点は重ねたものの、3ptは22.2%(4/18)と成功数、確率共に厳しい数字に。日本がペースアップした後半に打ち合いへ対処する有効策が見い出せず、崩れてしまったように見受けられる。

日本としては、ハレルソンが11得点21リバウンドを記録する上々のデビュー。井上や川真田らビッグマンも16分、17分という一定のプレータイムで存在感を見せるなど、収穫の多い試合となった。ただし、チームの3ptは26.7%(12/45)と十分とは言えない確率となり、中国戦へ向けては要修正と言ったところだろうか。"3ptを40%決めれば世界でも勝てる"と豪語するホーバスHCのバスケを体現することが出来るか。中国との一戦はその試金石となるだろう。

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