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観客と読者のための覚書

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観客と作品、読者と作品、そして観客と読者の関係について考える。
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観客と読者のための覚書1 作品と私の主従関係について

観客と読者のための覚書1 作品と私の主従関係について

 映画や演劇などを楽しむ者は観客と呼ばれ、読書を楽しむ者は読者と呼ばれる。では観客と読者では何が違うか。それは、作品とそれを見る「私」の主従関係であると思う。

 観客はあくまで「客」であり、「主」ではない。映画や演劇の開始時間や場所は興行側が設定しており、「客」である我々はそれらに従うしかない。もちろん、どの劇場でどの上映を見るかを「選ぶ」ことは可能だが、その選択肢自体を決めることは観客にはでき

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