『アリスとテレスのまぼろし工場』感想その1 「結界の中の幻影」
この映画の醍醐味は、圧倒的な映像美(特に背景美術、工場や廃墟の風景)、場面に寄り添い時に情感豊かに盛り上げる劇伴音楽、そして登場人物の細やかな表情や台詞で構成された物語全体の雰囲気にあります。
それはさておき…
・恋物語と親子物語の群像劇
今作の主題をひとことで言えば「恋物語の群像劇」に尽きるかと思います。そしてその「恋」は、恋愛成就もあれば失恋もある。そこでまず感じたことから、つらつらと。
まだ、ひらがなカタカナが無かった時代の『万葉集』では“文字(漢字)遊び”が随所