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【株式会社funakuのはじめの一歩#7】はじめの一歩

2021年第三四半期の方針として発表された「地方創生事業」。
funakuは「地域の不を解決したい」という想いから始まった会社。
本業のコンサルティング案件で体制を整え、ようやく地方創生事業に着手できることが決まった。

これまで、「funakuのはじめの一歩」として、プロジェクト実施に向けたリサーチの記録を発信してきた。
今回はその振り返りを行うとともに、「プロジェクトとfunakuのこれから」について話をしていく。


ジレンマ

一旦リサーチを終えて、これからはプロジェクトの内容を固めていく段階に入った。
プロジェクトの構想は代表にバトンタッチしたが、定例ミーティングで「悩んでいる」との話があった。

プロジェクトの具体的なアイデアを考えてみても、なかなかしっくりこないそう。
そのアイデアって本当に地域住民が望んでいることなのだろうか?
どうしても疑問が生まれてくるのだ。

前回の記事でも述べたが、住民自身が明確に解決したい課題を持っているケースは多くないのではないかと感じる。
住民へインタビューを行った際に、「困っていることはありますか?」「不便だと感じることは何ですか?」と聞いても、すぐに答えが返ってくることは少なかったからだ。
「どうしても解決したい課題」は無く、現状のままが幸せだと感じている住民も多いかもしれない。
こちら側が一方的に「課題」と決めつけ、それを解決しようと何かプロジェクトを行うのは自己満足ではないかとも感じてくる。

机上でしか塩竈を見ていない時期は、これができそう!というアイデアは多少あった。
しかし、実際に地域の方々の顔を見て会話をしたからこそ、前以上に「この人達のためになるプロジェクトなのだろうか?」という地域視点が加わり、なかなか進まない。


課題の内在化

とはいえ、地方が様々な課題を抱えているのは事実。
何とかしたいという想いと、地域住民はどう思うのか?という想いの葛藤。
どう課題と向き合っていくべきなのか、わからなくてもどかしい状態が続く。

模索する中で、地方の課題との向き合い方として1つ見えてきたことがある。
それは「課題の内在化」。
課題の内在化とは、自分たちも塩竈の一員として直接的に課題を感じ、内側から湧き上がる「解決しなければ不便だ」というものを引き出していくこと。

つまり、「課題を感じる住民」と「課題を解決するfunaku」という関係性ではなく、「自分たちが当事者となり、感じた課題を解決する」というイメージだ。

きっと、自分たちが「課題を解決する」という立場になってしまったら、一方的に外の正解を地域に押し付けるような、funakuの想いとはかけ離れたプロジェクトになってしまう。

自分たちが当事者として感じた課題の解決を考えていく方法がfunakuには合っているのかもしれない。

そこで、まずは「課題の内在化」に取り組んでいきたいと考えている状況だ。


プロジェクトの詳細はまだ決まらない。
でもそれでいい。


方向性として「課題の内在化」は決まった。
まずは当事者として課題を感じることから始める。
それはつまり、課題に対するソリューション、今回のプロジェクトの詳細が決まるのは、もう少し先になるということ。
どんなプロジェクトになっていくかは見えていない。まだまだ模索中だ。


自分たちでも、このプロジェクトで目指してしていることは、本当に難しいと感じる。
今後、実際に形にすることができるかも、まだ分からない。

それでも、funakuは地域の困っている人の力になりたい。そのためのプロジェクトを実現させたい。
この想いは変わらないし譲れない。

現段階でプロジェクトの形が決まっていないのは、ある意味正しいのではないかとも思えてくる。
なぜなら、簡単に答えが見つかるようであれば、それはfunakuが目指すものではないから。
funakuでなくても出来ることだし、ビジネス視点と地域視点どちらかに寄ってしまうはず。

資本主義と社会主義の両立を追及し、地域にとって本当に必要なことをやっていく。
それがfunakuの目指すものであり、funakuの存在意義だと思う。


ホームページ上で発信している設立秘話にも書いているが、funakuにはまだ「funakuらしさ」が確立されていない。
塩竈プロジェクトを進めるとともに、「funakuらしさ」を確立し、表現していきたい。
そして自分たちだけでなく、同じ想いを持つ仲間を集め、一緒に創っていきたい。

必ず、このプロジェクトはfunakuの核になるものだと思う。
プロジェクトのために考えたこと、感じたこと、悩み苦しんだ過程。

「funakuのはじめの一歩」を、ここに残しておきたいと思います。


最後に、

今回のリサーチに協力してくださった塩竈市の住民の皆さん、本当にありがとうございました。
そしてこれからも、よろしくお願いいたします。

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