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私達の選んだ道の先

私の好きな小説のひとつに「銀河英雄伝説」があります。高校時代、現社と日本史を教わったY先生のおすすめで、地元の図書館で借りて読んで(さらにその後ビデオも借りて見て)どハマりしました。

魅力は色々あるんですが、端的にまとめると「腐った民主主義VS優れた専制君主制」です。(難しそうに感じるかもしれませんが、NHK大河ドラマの宇宙版みたいなものです。)

さて、腐った民主主義と優れた専制君主制、皆さんは、どちらの政治が良いと思いますか?

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この物語には二人の主人公がいます。

民主主義代表の主人公はヤン・ウェンリー。自由惑星同盟(アメリカっぽいイメージ)の軍人ですが、専門は歴史。特に兵法の実践には優れ、幾度も同盟軍の危機を救います。体裁なんか気にしない、人命第一の平和主義者です。(どちらかというと仕事したくないけど渋々引き受ける、ちょっと不真面目な部類)彼の考えはとても人道的なのですが、いかんせん同盟の上層部が腐りきっているので全然活かされません。議会の様子なんか「こいつら全員ぶっ○してやりたい」と思うぐらいイライラします。

一方、専制君主制代表の主人公はラインハルト・フォン・ローエングラム。銀河帝国(ドイツっぽいイメージ)の若き天才軍師です。結果主義なのでサバサバしてます。もちろん帝国にも悪い部分はあります。が、ラインハルトは姉にまつわるある事件をきっかけに、より良い世界を作ろうと決意します。(宇宙を手に入れる、というあの名シーンはおすすめです。親友・キルヒアイスとの掛け合いが最高すぎます)次々と功績を挙げ、旧王朝から譲り受ける形で皇帝に即位し、旧王朝より優れた政治を行います。礼節や慣習を重んじつつ、不正な伝統は廃す、良き施政者です。(後に起きる叛乱については割愛します)

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さて、もう一度問います。

皆さんだったらどちらの国(とここでは書きます)に住みたいですか。

私だったら断然、銀河帝国です。だって、結果主義って分かりやすいし、責任が王様にあるとハッキリしてるので。

ここで恩師・Y先生の受け売りの言葉。

二十歳になったら絶対に選挙に行きなさい。大事なのは、投票したい人がいるかとか、投票した人が当選するかじゃない。投票するという行動自体が、自分は政治に参加したという証明で、これから行われる政治に対して意見を言う権利を得られる。もし投票に行かなかったら、行われる政治に対して何を言う立場にもなれない。

…というようなことです。生徒会選挙の度に言われたし、本物の選挙がある時にも相当口酸っぱく言われました。(ちなみに二十歳になったら、というのは当時の話で、今の選挙権は十八歳で得られるんですよね。)これと似たようなことを、ヤンも作中で述べます。原作が手元に無いのでアニメ版の台詞です。

言い換えますと、ルドルフ・フォン・ゴールデンバウムや、またそれより遙かに小物ながら、ヨブ・トリューニヒトなどを政権に就けたのは、確かに人民自身です、他人を責めようがありません。まさに肝心なのはその点であって、専制政治の罪とは、人民が政治の失敗を他人のせいにできる、という点に尽きるのです。その罪の大きさに比べれば、百人の名君の善政の功も小さなものです。
アニメ版「銀河英雄伝説」第54話より

うわ、まさに私が人のせいにしてた…というわけで、どんなダメダメな政治でも責任の所在が人民にある、ということです。

というわけで、私はせっかく民主主義の国にいるので投票にはちゃんと行きます。直近の選挙もちゃんと行きました。だから都政にも文句言います(笑)それは冗談として、きちんと政治に興味を持って行く末を見守りたいです。

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Y先生のおかげで知った「銀河英雄伝説」という作品について語りました。自分のスタンスについて考えさせられます。おすすめです。

ちなみにY先生、あと、税金は絶対納めろとか、最悪フリーターでも良いからニートにはなるな、という話もよくしてましたね。フリーターでも良いから、なんて他の先生は言わなかったので印象的。

Y先生には部活でもお世話になったので、いつかもっとたくさんエピソードを披露したいです。

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