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王城の護衛者 会津藩主 松平容保の物語

会津藩には
代々語り継がれる
会津家訓15カ条というものがあった。

その最初に来るものは

大君の儀、一心大切に忠勤を存すべく、列国の例を以て自ら処るべからず。若し二心を懐かば、則ち我が子孫に非ず、面々決して従うべからず。

https://www.yae-mottoshiritai.jp/seishin/kakun.html

という徳川幕府への忠誠を末代まで誓うものである。

そうして、幕末に幕府側という沈みゆく泥舟に最後まで乗り続けた会津藩なのであるが、その最後の藩主松平容保のことを描いた小説が

「王城の護衛者」である。


以下、要約。
上記の家訓があることを前提に読むと、状況理解がより深まると思う。

日本の幕末、江戸幕府の終焉が迫る時代。多くの藩が西洋技術の導入や大政奉還を求める中、会津藩は旧幕府を支持し、新政府軍と対立する。この物語は、そんな混沌とした時代を、会津藩主・松平容保の視点から描く。

物語の冒頭、会津藩は幕府の一翼として、京の治安を維持する役目を担っている。しかし、尊王攘夷の気運が高まる中、会津は周囲の諸藩との対立を深める。特に、薩摩藩や長州藩とは緊張関係にあった。これらの藩は尊王攘夷を掲げ、新しい日本を築くためには旧幕府を打倒すべきとの考えを持っていた。

松平容保は、幕末の動乱を前に、伝統的な家格や体系を重んじる一方で、藩の発展や近代化にも努力していた。彼は会津藩が独自の道を進むために、英知を結集して藩政改革を進めていた。しかし、彼の考えや努力が、外部との対立を回避することはできなかった。

物語が進むにつれ、新政府軍と旧幕府軍の対立は激化。特に、会津戦争はこの小説のクライマックスとして描かれる。松平容保は、自藩の存続と家族を守るために、困難な状況の中で数々の決断を下さなければならなかった。彼の苦悩や葛藤は、この物語の中心的なテーマとなっている。

一方、新政府軍の側には、革命の旗手として活躍する若き武士たちが登場。彼らは、新しい日本の建設のために、古い体制を打破しようと闘っていた。彼らの視点から見れば、松平容保や会津藩は時代遅れの存在であり、新しい時代の障害となっていた。

会津戦争は、新政府軍の勝利に終わる。しかし、この戦いでの会津藩の奮闘や松平容保の人間性は、多くの人々に感動を与える。物語の終盤では、戦後の会津藩の運命や、松平容保自身の運命も描かれる。彼は、敗北を乗り越えて新たな人生を築こうとするが、時代の変革と自らの過去の決断に直面する。

この小説は、幕末の日本を背景に、一人の武士の生き様や決断、そして家族や部下との関係を中心に描いている。歴史的な出来事や人物を通して、時代の変革や人々の葛藤、そして家族や愛についての深い洞察を提供している。

「王城の護衛者」


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